総務審議官時代に首相長男の会社から高額の飲食接待を受けたことが発覚した山田内閣広報官。「飲み会を断らない女」とか「1回で7万円の飲食ってどんな接待を受けたの?」など世間の強い批判に曝されたが 菅首相の要請で一旦は続投を表明したものの、その後体調不良による入院で広報官を辞任した。確かに接待発覚後のマスコミの前や国会での答弁で消え入りそうな声だったし、神経が相当参っている様子ではあった。「女性登用」が叫ばれているさなかなので、首相としても更迭するわけに行かなかったのだろうが、辞任に転じたのはどうも事情が変わったのだろう。
辞任早々に新たな接待疑惑が表面化したのだ。これも週刊文春のすっぱ抜きで、総務省の複数の幹部がNTTグループからも高額な接待を受けていたことが報じられた。この中に山田審議官(当時)が含まれているのである。”文春砲”にうすうす気が付いて、内閣報道官の続投を翻したのが真相ではなかろうか。本人は公務員を退職しており、もう懲罰は及ばないのだそうだ。
総務省の高級官僚の一連の接待疑惑は菅首相になってからの不祥事ではない。菅首相が総務大臣時代に目をかけて来た官僚たちではあったが、接待の事案は安部首相時代の置き土産であり、最近問題多発でウヤムヤになりがちな「モリ・カケ・サクラ」問題のツケも菅首相に残して行った。7年もの間、内閣官房長官として安倍首相に付き添って来た菅首相にも当然責任の一端はあるが、それにしても新型コロナ・ウィルス感染や東京オリ・パラ開催問題など重大問題山積の中で安部首相の置き土産が重荷になっている。