陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

2014年の桜 さくら考

2014年04月07日 | slow culture

六日の日経文化面。“さくら考”
という題で作家の葉室麟氏の寄稿文が
掲載されている。興味深く読む。

(以下抜粋)

“しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ
朝日にゝほふ山桜”  本居宣長

“花はさくら、桜は、山桜の、
葉のあかくてりて、ほそきが、
まばらにまじりて、花しげく
咲きたるは、又たぐふべき物もなく、
うき世のものとは思はれず”

“この国の先人たちが愛したのは
あでやかでひと目を引いて楽しませる
花だけの桜よりも、慎ましく葉をつけた
山桜であったことに思いをめぐらして
みるのも無駄ではないだろう。”

花だけが葉より先に咲いて、ぱっと散る
ソメイヨシノは、幕末に江戸、染井の
植木屋によって栽培された品種だそうだ。
種子では繁殖することがなく、接ぎ木など
人の手で育てなければならない。
生長は早いが寿命は短いという。

なるほど。我々が普段見ている桜は
実は栽培品種なのだ。
山桜の葉がまばらにある美しさ、それが
本来の桜だと…。だとすれば、一度
吉野にいかなくてはならないと思う。

“宣長だけでなく、昔から日本人にとって
生死と桜は切り離せない何かがある。しかし
その死生観は、花を先につけ、しかも
いっせいに散るソメイヨシノのイメージとは
少し違うのではないだろうか。”

葉室さんはそのように書いている。

みよし野の花をいつしか見にゆかん
コメント    この記事についてブログを書く
« ターナーを観る | トップ | 1年生とチューリップ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

slow culture」カテゴリの最新記事