八月初旬は歳時記的にはもう晩夏だ。今年の立秋は8月8日。夏ももう後六日ちょっとなのである。とは言えど酷暑の日日。盛夏はまだまだ続く…。
それでも晩夏だなあと感じるのはやはり雲の姿だ。まだまだ入道雲が威を張っているが、空の高さには筋雲が。上空何万メートルの世界はもう秋である。注意深く五感をリラックスさせていると、こうして季節の移ろいを確と感じることができる。そういうとき、嗚呼、自分は今生きているんだなあと感じるのである。
人は生きていると実感するのはどういうときだろう?いろいろあるけれど、季節の移ろいもそのひとつだと思う。
病室の窓に煌めく夏の果
この句はとあるホスピス病棟に見舞ったときの一句。六甲の端山の高台にある病室。眼下にはきらきらと輝く茅渟の海。生と死の無常を感じた晩夏でございました。