深秋のこの日、須磨浦公園へ。
今回は須磨の秋を探す吟行の旅。
絶好の秋日和であったが、この時期にして
気温が30度を超えるという真夏日であった。
須磨浦公園逍遥。まずは蕪村句碑
“春の海終日のたりのたりかな”
蕪村のこの句はこの須磨の浦で詠まれたという。
※終日(ひねもす)
次に芭蕉句碑
“蝸牛角ふりわけよ須磨明石”
この須磨の地が摂津と播磨の国境である。
※蝸牛(かたつむり)
そして播水句碑
“下り佇てば遅日の淡路籬の上に”
句友の邸宅の垣根から望む淡路島を詠んだという。
※遅日とは日永のこと。
最後は子規・虚子の師弟句碑
“ことづてよ須磨の浦わに晝寝すと”(子規)
“月を思い人を思ひて須磨にあり”(虚子)
晝寝(ひるね)
子規は明治28年日清戦争従軍取材の帰路喀血。
神戸病院で治療して須磨のサナトリウムで療養した。
大したことは無い心配するなと虚子に託したメッセージ。
虚子の句は子規50年忌に子規を偲んで詠まれた。
こういう説明をしながら句碑の径を散策。
所々薄紅葉ではあったが紅葉はまだである。
ロープウェイとカーレーターを乗り継ぎ鉢伏山頂へ。
カーレーターの最初の揺れは相変わらず凄かった。
この山頂は神戸っ子なら小学生時代に一度は行った
というセンチメンタルスポットである。
山頂からは大阪湾、紀伊友ヶ島まで遠望できる。
あまりこういう雄大な景に接すると俳句は案外作れない。
回転する3階の展望レストランでしばし休憩。
ハーゲンダッツのストロベリーを食べながら
しばし眼下のこの雄大な景を眺めつつ
源平の悠久の刻に思いを馳せておりました。
つづく