三条寺町角の三嶋亭。
牛肉を買う。
もう十年以上も前になるだろうか
一度、ここの三階の部屋で
接待ですき焼きを囲んだ。
年季の入った建物…まるで
江戸時代にタイムスリップした感じ。
そして、舌先にとろけるような
霜降りの極上牛肉のすき焼き。
この肉があまりに美味くて柔らかい。
ついつい、皆で
何皿かお代わりをしてしまった。
満足して家路に着いた。
が、その夜には
お腹の調子がおかしくなった。
すわっ!当たったか!?
そうたいした症状ではなかったのだが。
翌日、一緒にいた人間に聞く。
聞けば他の者はどうもないと言った。
そして笑いながら
「あんまりいい肉食ったんで
腹がびっくりしたんだろう?」
と冷やかされた。
どうやらそれが正解だった。
霜降りの脂を取りすぎた為
そのせいで腹を下したみたいだった。
悔しいが、食べつけない
いいもの食うと腹壊すの典型だ。
どうも我が腹は油に弱いようである。
そう言えば以前フランスへ行った時も
ホテルのフルコースで同じ目にあった。
これも仏料理の脂が原因だった。
そんなこんなの思い出ある三嶋亭。
今回買った三嶋亭のお肉は
高い霜降りではなく赤身のカレー肉。
家の者はここのお肉は美味しいと評判だ。
でも、また機会があれば
あのすき焼きをここで食べてみたいなあ。
ただし
お肉のお代りはせずに…。