陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

秋色のハーモニー その二

2007年10月14日 | cocoro

遅い起きがけの休日の朝
窓を開け放つと
少し肌寒い秋風が部屋を吹き抜けた。
秋風はどこかの庭に咲いている
金木犀の甘い香りを同時に連れて来た。
懐かしい香りが部屋に留まる。
やはり芳香剤とは違う絶対芳香?だ。

風は向こう1キロあたり先にある
小学校で行われている少年野球の
掛け声と喚声も運んできた。
マンションの上階にある我が家は
幸い遮るものもなく、ときどき
潮の香りや船の汽笛も流れてくる。
湾岸沿いの煙突の煙はややたなびく程度。
今日は比較的風も穏やかなようだ。
澄んだ日には遠くの空港も見える。

とある日の秋の休日…。
風が運んでくるそれらの音や匂いを
なすがままに感じているひととき。

五十を過ぎると
そういうことが実は人の幸せなのだと
やっと思えるようになってきた。

幸せの渦中にいる人は
幸せを実感しないのだと言う。
ん?ならば私は…

「いいえ。そういう随想を書くこと自体
貴方は幸せなのですよ。」

秋風が運んだ空耳?天の声?

野球の喚声がひときわ大きくなった。
きっと点が入ったのだろう。

■美祢線・長門湯本の踏切りにて
コメント