大そうなタイトルを付けてしまった笑
石垣島随一の景勝地“川平(かびら)湾”へ。全国で八か所しかない国指定の名勝地に選ばれいるという。青い海と湾内に浮かぶ島々の景が景勝地に選ばれているのである。
エメラルドグリーンの海の色は白砂の反射によって醸し出されるのだと言う。その白い砂は珊瑚の欠片が砂となったものらしい。なるほど。南の島がエメラルドグリーンなのはそういうことなのだ。
ところでその珊瑚礁であるが、近年の地球温暖化の影響で珊瑚が海水温の上昇で死んだりするという。それを解決してくれるのが台風なのだと、別の湾内クルーズの船長さんが教えてくれた。台風が来て海水が混ざることで珊瑚も再生するのだという。南の島で台風は避けられないもので、どちらかというと忌避したいものだと思っていたが、こういう効用もあるんだなと知った。やはり自然の循環は大事なのである。
さて、ここの観光の目玉はやはりグラスボートである。という訳で乗り込むことにした。

珊瑚礁を棲家とするおさかな君たちをボートの底から眺める。やはり人気はクマノミのようで、船頭さんが「イソギンチャクの辺りにクマノミが居ますから探して見て下さい」と言う。目を凝らしてみているとクマノミを見つけることができた。しかしちょっと珊瑚礁の外に出たら波に揺られて船酔いを覚えてしまった。底を眺めながらの波の揺れは三半規管を刺激したようだ。
川平湾の海の色は確かに美しかったが、グラスボートは正直そんなに感動的ではなかった。生の生態が見られるとは言え、やはり都会の人たちは素晴らしい演出の水族館で見慣れている。ちょっと傷がかったやや曇ったボートの底の硝子では正直物足りない。でも若者たちはスキューバダイビングで堪能できるが、高齢者はそうはいくまい。だから旧き良き昭和の観光であってもこのグラスボートは存在価値があるのだ。
大手のリゾート会社がセンス良く開発すればまた違うのだろうが、それには私も反対である。たとえ昭和な運営であっても、島の人たちが自らすることで愛情を持ってこの自然を守ってくれると思うのだ。地元経営ではそんなに設備投資もできないだろうけれど。やはり観光客が訪れないと維持も難しいかな。だから本土からどんどん観光に来てお金を落とすことが支援になるのだ。ったく、偉そうにそんなことを考えながらグラスボートを下船した。そんなマーケティングのことなど余計なお世話だろう。帰りはここに棲んでいるらしい孕み猫ちゃんに癒されたのであった。
