「実はこの映画、
もう少し経ってからじっくりと喋りたかったんだけど、
今日のうちに話すことこそ意味があると思って…」
----ん、どういうこと?
今日は、確か広島に原爆が落とされた日。
「そう。そこなんだ。
これは全くの偶然なんだけど、
そんな日にこの映画を観てしまった。
映画の冒頭、あるテロップが出る。
それは『広島、長崎に原爆が落とされる100年前…』といった内容」
----へぇ~っ。太平洋戦争終結ではなく、
なぜ原爆ニャんだろう?
「ぼくが思うに、この映画で監督の三池崇史は、
自らが深作欣二の後継者と名乗り出たのではないか…」
----えっ。この映画のオリジナルって工藤栄一監督だよね。
「もちろん。
でも、ほら思い出してごらん。
深作の代表作『仁義なき戦い』の冒頭は?」
----あっ、広島への原爆投下だ。
「(ニヤリ)でしょ。
さて、その前提で話すと、
この映画の見どころ、
それはオリジナルの東映時代劇を、
いまや映画界ひとり勝ちの東宝が映画化したことにある。
前半は城内の描写。
それは、色合い、セリフ回しともそれこそ東映時代劇のタッチ。
役者を抜きにすれば、これが今の映画であることを忘れてしまうほど。
いわば、正攻法で堂々と真っ向勝負。
ところが、そんな中、
“残酷かつ過激な描写”では右に並ぶ者がない三池崇史監督は、
“明るい東宝”でここまでやって大丈夫なの?
と、心配になるほどの刺戟的な映像を次々と繰り出してくる。
子供は藩主・斉韶に平然と弓矢で撃ち殺されるし、
『バイオレンス・ジャック』の牧村美樹さながら、
両手両足を切られた女まで出てくる。
ひと時代前ならPTAあたりからクレームがきそう」
----それは、観るのきついニャあ。
その残忍な藩主って?
「明石藩主松平斉韶。
彼は将軍の弟で次期老中が噂されている。
物語は、この最凶の権力者・斉韶を撃つべく、
13人の刺客が中山道落合宿で参勤交代中の一行を待ち伏せし、
300名もの相手に対して死闘を繰り広げるというもの」
----300名!?
「オリジナルは13対53.
このときは約30分の戦いだったわけだけど、
今回は、相手が増えた分、なんと50分もの死闘が続く。
これだけの時間を飽きさせずに見せきるだけでも三池監督はスゴい。
しかもそのスケールの大きさには、ただただ圧倒された。
まるでハリウッド黄金期のスペクタクル映画のように、
CGではなくセットそのもので大作感を打ち出してゆくんだ。
キャストの方も、主人公・島田新佐衛門に扮する役所広司を始め、
山田孝之、伊勢谷友介、伊原剛志 ら、
13人全員が、みんな輝いている。
一方、斉韶に扮した稲垣吾郎もいい。
このクレイジーな役を、心底なりきって演じているんだ。
しかし、久しぶりに見た市村正親には驚いたな。
かつての劇団四季の看板スターも、こんな年配の風貌に。
自分な年取るわけだわ」
----最後はどうでもいい話で締めたニャあ。
(byえいwithフォーン)
「そんなにすごいニャか?」
※これは“平成集団チャンバラ”のナンバーワン作品だ度
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お花屋さんもよろしく。
もう少し経ってからじっくりと喋りたかったんだけど、
今日のうちに話すことこそ意味があると思って…」
----ん、どういうこと?
今日は、確か広島に原爆が落とされた日。
「そう。そこなんだ。
これは全くの偶然なんだけど、
そんな日にこの映画を観てしまった。
映画の冒頭、あるテロップが出る。
それは『広島、長崎に原爆が落とされる100年前…』といった内容」
----へぇ~っ。太平洋戦争終結ではなく、
なぜ原爆ニャんだろう?
「ぼくが思うに、この映画で監督の三池崇史は、
自らが深作欣二の後継者と名乗り出たのではないか…」
----えっ。この映画のオリジナルって工藤栄一監督だよね。
「もちろん。
でも、ほら思い出してごらん。
深作の代表作『仁義なき戦い』の冒頭は?」
----あっ、広島への原爆投下だ。
「(ニヤリ)でしょ。
さて、その前提で話すと、
この映画の見どころ、
それはオリジナルの東映時代劇を、
いまや映画界ひとり勝ちの東宝が映画化したことにある。
前半は城内の描写。
それは、色合い、セリフ回しともそれこそ東映時代劇のタッチ。
役者を抜きにすれば、これが今の映画であることを忘れてしまうほど。
いわば、正攻法で堂々と真っ向勝負。
ところが、そんな中、
“残酷かつ過激な描写”では右に並ぶ者がない三池崇史監督は、
“明るい東宝”でここまでやって大丈夫なの?
と、心配になるほどの刺戟的な映像を次々と繰り出してくる。
子供は藩主・斉韶に平然と弓矢で撃ち殺されるし、
『バイオレンス・ジャック』の牧村美樹さながら、
両手両足を切られた女まで出てくる。
ひと時代前ならPTAあたりからクレームがきそう」
----それは、観るのきついニャあ。
その残忍な藩主って?
「明石藩主松平斉韶。
彼は将軍の弟で次期老中が噂されている。
物語は、この最凶の権力者・斉韶を撃つべく、
13人の刺客が中山道落合宿で参勤交代中の一行を待ち伏せし、
300名もの相手に対して死闘を繰り広げるというもの」
----300名!?
「オリジナルは13対53.
このときは約30分の戦いだったわけだけど、
今回は、相手が増えた分、なんと50分もの死闘が続く。
これだけの時間を飽きさせずに見せきるだけでも三池監督はスゴい。
しかもそのスケールの大きさには、ただただ圧倒された。
まるでハリウッド黄金期のスペクタクル映画のように、
CGではなくセットそのもので大作感を打ち出してゆくんだ。
キャストの方も、主人公・島田新佐衛門に扮する役所広司を始め、
山田孝之、伊勢谷友介、伊原剛志 ら、
13人全員が、みんな輝いている。
一方、斉韶に扮した稲垣吾郎もいい。
このクレイジーな役を、心底なりきって演じているんだ。
しかし、久しぶりに見た市村正親には驚いたな。
かつての劇団四季の看板スターも、こんな年配の風貌に。
自分な年取るわけだわ」
----最後はどうでもいい話で締めたニャあ。
(byえいwithフォーン)
「そんなにすごいニャか?」
※これは“平成集団チャンバラ”のナンバーワン作品だ度
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