ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『恋愛戯曲 私と恋におちてください。』

2010-08-14 00:30:58 | 新作映画
----これって、鴻上尚史の監督作だって…。
懐かしいニャあ、第三舞台。
「おいおい、フォーン。いくらなんでもそれはないだろう。
第三舞台は80年代のお芝居だよ。
まあ、この映画自体、
確かに舞台の映画化ではあるけどね」

----どんな、お話ニャの?
「まあ、これが実に分かりやすい。
1行も書けなくなった女性脚本家・谷山真由美(深田恭子)。
その彼女の担当として、関東テレビ制作ドラマ部長の中川康博(井上順)は、
ダメ社員のレッテルを貼られた
向井正也(椎名拮平)をプロデューサーに任命。
『先生にシナリオを書いてもらうためなら、何でもします』と向井。
『じゃあ、私と恋に落ちて』。
かくして、谷山と向井、
ふたりの共同作業(?)による脚本作りは開始。
しかし、その動きを察知した編成部長・先島昭子(清水美沙)は、
自分が主導権を握るべく、
顔もよく口も巧い部下の柳原恭一郎(塚本高史)を
谷山の元へ送りこむ。
さらに、営業局長の蒲生利夫(西村雅彦)も
スポンサーの化粧品会社の宣伝部長・中村俊正(中村雅俊)にプレッシャーをかけられ、暗躍を始める!」

----スランプの作家か…。
ニャんか、聞いたことあるような…。
あっ、西原理恵子『女の子ものがたり』
「そうなんだよね。
執筆をほったらかして、
プロデューサーを外に遊びに連れだしたりするところもそっくり。
でも、この映画は、
そのベクトルが『女の子ものがたり』のような過去への旅とはならずに、
脚本の中身を映像化して見せてゆく。
その脚本というのが、
生活にくたびれた脚本家志望の主婦が主人公のお話。
でも、もとより、この脚本の設定は“人気女流作家の華麗な恋物語”ということになっている。
つまり、映画では三つの階層が描かれているんだ」

----ニャんだか、頭がこんがらがりそう。
「だよね。
そのため、映像的にそれぞれ異なったアプローチで
その三つを分けてあるんだ。
谷山のいる第一階層を<映画>とすると、
その脚本の中の第二階層は<テレビ>。
あたかも昼メロのように展開してゆく。
で、そこに描かれた第三階層、こちらはお芝居。
セットは<舞台>そのもの。
それもよく見ると、“谷山美術”と書かれた表記もあるなど、
これが脚本家・谷山の頭の中の途中段階の構想であることを強調。
と、おそらくこの段階で想像がついたと思うけど、
この映画は、鴻上にとってもプレッシャーのかかる作品」

----どうして?
「だって、そのクライマックスは
谷山が書いた脚本のオモシロさを誰もが認めるという、
その一点に持ってこなくてはならない。
でも、それを書いているのは
他ならぬ鴻上自身なわけだからね」

----で、どうだったの。
映画そのものは?
「う~ん。
これがオモシロいかどうかは人それぞれだろうね。
でも、これだけは言える。
三つの階層に出てくるフカキョン
まったく別の人間が演じているのかと思うほど違うタイプ。
服装やメイクも含めて、
これは、深田恭子を丸ごと楽しむ映画。
確かにへぇ~っと驚くようなオチも、あるにはあるけれど、
それはそれとして、
スターの多面性を楽しむという、
そういう映画もあってもいい。
ぼくは、そう思うな」




           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フカキョンのファン以外も楽しめるのかニャ?」小首ニャ

※だから、それは人それぞれだ度


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