(原題:John Rambo)
----この映画ってRー15指定になったんだよね。
「うん。ここまでやっちゃえば、それも仕方ないかなあ」
----そんなに激しいの?
「ここまでの大量血飛沫は
“ブラッド・バレエ”と言われた『ワイルドバンチ』以来じゃないかな。
あちらは、まだ銃撃戦だけど、
この映画はそれに加えて残虐な大量殺戮があるからね」
----それは、でも少し問題だよね。
スタローンは確か、
ミャンマーの軍事政権から虐げられ、
虐殺されるカレン族の実情を知ってもらおうと
この映画を撮ったんでしょ。
「そう。
だから配給サイドも宣伝には相当に苦慮しているみたいだ。
もらった資料には
“バイオレンスを売り物にする映画ではなく、
暴力を描きながら、暴力を否定する反戦映画の側面が多分にありますので、
そこを誤解されない様にみなさまに伝えていければ……”と、
なぜRー15になったかの理由が書いてあるばかりか、
なんと映倫からのコメントまで載せている」
----えっ?それは興味深いニャあ。
「じゃあ、読み上げるよ。
『村人の虐殺、女・子供への暴力といじめ、
戦闘中の首・腹など肉体損壊の描写の頻度が多く、
15歳未満の鑑賞には不適切ですので
『R-15』に指定しました』。
もう、これ以上はまったく必要ないほどの端的な描写説明。
ただ、そこにもう一言つけ加えるなら
これらのシーンはグリーンバックによるCGではなく
昔ながらのロケによって撮影されている。
それだけに、そのバイオレンス描写は
観る者に“痛み”を感じさせるだけの“力”を持っているんだ」
----でも、そこまでやっちゃうと
ミャンマーからのクレームがつきそうだけど…。
「うん。
軍事政権は『ランボー』シリーズDVDの発売を禁止。
それに対してスタローンは軍政との対決も辞さない
という強気の態度に出ているようだ」
----mmmmm。
「一方、反政府組織からは
『この映画は、暴力的で残酷な現状を忠実に表現し、
反テロを奨励する素晴らしい作品だ』との声が挙がり、
民主化を進める上でのシンボルとなっているようだけど、
ぼくらは実際のところはどうなのかを
この目で見て知っているわけじゃないから、
ただもう、観て驚くしかない。
なぜって、ここで描かれているのは
いわゆる政府軍に見えないんだ。
ジャングルの中で、
こんな殺戮、レイプ、そして酒宴を繰り返していて
果たして国として成り立つのか、
まずそこが不思議で仕方がない」
----ふうん。じゃあ少し話を変えて、
これって『最後の戦場』となっているけど…。
ほんとうに終わり?
「ある意味、ランボーの生きざまに決着がつくからね。
彼は今回、
傭兵たちと一緒に敵と戦う。
そこで彼ら傭兵に言い放つセリフがランボーをよく表している
『こんなところにいたいと思う奴はいない。
だが、これが俺たちだ。そしてこれが俺たちの仕事だ』。
その彼も実はそれまでは死んだように暮らしていた。
ところが今回、
キリスト教支援団の女性サラ・ミラーとの出会いによって変わってゆくんだ。
自分と向かい合う中で生まれたその言葉が、またいい。
『ムダに生きるか、何のために死ぬか---お前が決めろ』」
----うわあ。ほんとカッコいいニャあ。
映画って、歴史に残るセリフが生まれることがあるけど、
これもその一つになりそうだね。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォーンにはとても観られそうにないニャあ」
※『ロッキー』と並行してよくこんな役を演じていた度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
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※ここからはCM。
映画とは関係ありません。この車も出ていなかったと思います。
↑よかったらCLICKしてみてください。動画が現れます。
----この映画ってRー15指定になったんだよね。
「うん。ここまでやっちゃえば、それも仕方ないかなあ」
----そんなに激しいの?
「ここまでの大量血飛沫は
“ブラッド・バレエ”と言われた『ワイルドバンチ』以来じゃないかな。
あちらは、まだ銃撃戦だけど、
この映画はそれに加えて残虐な大量殺戮があるからね」
----それは、でも少し問題だよね。
スタローンは確か、
ミャンマーの軍事政権から虐げられ、
虐殺されるカレン族の実情を知ってもらおうと
この映画を撮ったんでしょ。
「そう。
だから配給サイドも宣伝には相当に苦慮しているみたいだ。
もらった資料には
“バイオレンスを売り物にする映画ではなく、
暴力を描きながら、暴力を否定する反戦映画の側面が多分にありますので、
そこを誤解されない様にみなさまに伝えていければ……”と、
なぜRー15になったかの理由が書いてあるばかりか、
なんと映倫からのコメントまで載せている」
----えっ?それは興味深いニャあ。
「じゃあ、読み上げるよ。
『村人の虐殺、女・子供への暴力といじめ、
戦闘中の首・腹など肉体損壊の描写の頻度が多く、
15歳未満の鑑賞には不適切ですので
『R-15』に指定しました』。
もう、これ以上はまったく必要ないほどの端的な描写説明。
ただ、そこにもう一言つけ加えるなら
これらのシーンはグリーンバックによるCGではなく
昔ながらのロケによって撮影されている。
それだけに、そのバイオレンス描写は
観る者に“痛み”を感じさせるだけの“力”を持っているんだ」
----でも、そこまでやっちゃうと
ミャンマーからのクレームがつきそうだけど…。
「うん。
軍事政権は『ランボー』シリーズDVDの発売を禁止。
それに対してスタローンは軍政との対決も辞さない
という強気の態度に出ているようだ」
----mmmmm。
「一方、反政府組織からは
『この映画は、暴力的で残酷な現状を忠実に表現し、
反テロを奨励する素晴らしい作品だ』との声が挙がり、
民主化を進める上でのシンボルとなっているようだけど、
ぼくらは実際のところはどうなのかを
この目で見て知っているわけじゃないから、
ただもう、観て驚くしかない。
なぜって、ここで描かれているのは
いわゆる政府軍に見えないんだ。
ジャングルの中で、
こんな殺戮、レイプ、そして酒宴を繰り返していて
果たして国として成り立つのか、
まずそこが不思議で仕方がない」
----ふうん。じゃあ少し話を変えて、
これって『最後の戦場』となっているけど…。
ほんとうに終わり?
「ある意味、ランボーの生きざまに決着がつくからね。
彼は今回、
傭兵たちと一緒に敵と戦う。
そこで彼ら傭兵に言い放つセリフがランボーをよく表している
『こんなところにいたいと思う奴はいない。
だが、これが俺たちだ。そしてこれが俺たちの仕事だ』。
その彼も実はそれまでは死んだように暮らしていた。
ところが今回、
キリスト教支援団の女性サラ・ミラーとの出会いによって変わってゆくんだ。
自分と向かい合う中で生まれたその言葉が、またいい。
『ムダに生きるか、何のために死ぬか---お前が決めろ』」
----うわあ。ほんとカッコいいニャあ。
映画って、歴史に残るセリフが生まれることがあるけど、
これもその一つになりそうだね。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「フォーンにはとても観られそうにないニャあ」
※『ロッキー』と並行してよくこんな役を演じていた度
人気blogランキングもよろしく
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※ここからはCM。
映画とは関係ありません。この車も出ていなかったと思います。
↑よかったらCLICKしてみてください。動画が現れます。
「Live for nothing or die for something」、名セリフですね。
今作は、スターローンが、ロッキーでソ連に挑戦した時の事を思い出しました。
彼らしい男臭い作品ですね。
なるほど、英語だとそうなってますか。
カッコいいですね。
こういうのって、邦訳すると
雰囲気が変わりますよね。
その昔、映画研究会の先輩が
「『Wait Until Dark』だとカッコいいのに…」と、
『暗くなるまで待って』の邦題を嘆いていたことを思い出しました。
ここまで描かれると何かしらあるかとは思ってましたが。。。
‘カレン族の実情’は痛いほどよく伝わりましたから
その部分では完全に成功と言えるんでしょう。
今までのランボー人生を背負い込んだセリフが
とてもズッシリときました。
なんとも不思議な映画でした。
ここで描かれていることはあまりにも凄まじすぎて
とても現実に基づいているようには見えない。
もしも、この作品を告発ムービーとするならば、
ランボーをここまで
無敵のヒーローにしたことは裏目に出ているのかも。
少し劇画チックすぎるタッチになっていた気がしました。
いつも、思うのですが、
同時進行の社会問題を映画の中で扱うときは、
そのさじ加減がほんとうに難しい----そんな気がします。
『ロッキー・ザ・ファイナル』でも『人生ほど重いパンチは無い!』っていうロッキーの言葉が、自分には凄い名セリフだったんですけど、ランボーの言い放った『無駄に生きるか、何かのために死ぬか、お前が決めろ』っていうセリフもまた素晴らしかったですねっ♪ここでもまたジーンと来ちゃいました・・。
でもミャンマー軍の行為はあそこまで極悪非道なのかと最初目を疑ってしまいました・・。本作ではカレン族への残虐な行為が中心に描かれていましたが、実際はもっと他にも過酷で悲惨な問題が起きているんでしょうね・・・。
いいセリフですよね。
実を言うと、ぼくも実態はほんとうにここまでひどいのかと、
少し?を持っていたのですが、
今朝の新聞にも、
ミャンマー政府が
避難所から被害者を強制的に追い出していることが…。
スタローンの慧眼に改めて感心しているところです。
社会派スタローンの次なる動きが気になります。
実物は予想外に面白かったです。
メッセージ性は強いですが、バイオレンスの刺激が凄過ぎて、ストレートに伝わるかは疑問ですけどね。
全体的に一作目への回帰を感じました。
ラストカットが「it's a long road」にかぶるあたりは、感慨深い物がありました。
こういう映画って語るのが難しいですよね。
自分の住んでいる世界と、
あまりにもかけ離れていて、
下手なことが言えない。
おっしゃるとおりに、
過度のバイオレンスは
逆に(知らない故に)
信じられなくなってしまう。
ここで描かれていることを
フィクションと取る人が多い気がします。
社会性と娯楽性のバランスの難しさを
感じさせてくれた映画でもありました。