この話を聞いて、18日は断念した方が賢明と判断した。前もって入場券を購入して出掛けようと考えを変えた。ところが、その数日後に妻は、11日の行動も原因のひとつだろうが、脚がつって歩行が困難になってしまい、代わりに私に行ってほしいとのこと。こういう無料もあるものだと、喜んで私は妻の代役として、義妹と出向くこととあいなった。
8時に上野駅で待ち合わせ、美術館の前には8時10分には到着したが既に200人くらいの列。時間の経過とともに列はどんどんと伸びていった。9時半が開館なのだが、待つこと1時間強の9時20分に入館が始まった。入館後、最初のうちはそれほどの混雑ではなかったが、時間の経過とともに混雑を極めてきたが、それでも私は最初から最後まで展示作品を前列でしっかり観ることが出来た。
今回一番鑑賞したかったのは再度の『動植彩絵』。又あの動植物に巡り合いたかった。一階の楕円形に設えられた会場の正面に『釈迦三蔵像』が掲げられ、それを取り巻くように30枚の『動植彩絵』がぐるりと配置されていた。若冲が40歳から10年を掛けて完成させた極彩色の世界の精密画。
最近は若冲の研究が進み、電子技術で絵を分析することも可能で、その成果によると、彼の絵には輪郭線が描かれいないで、しかもミスがなく、書き直しの痕跡も見られないとの事。天才の技で描かれた超精密画を鑑賞出来るのだ。
彼は自分の絵を「千載 具眼の徒を待つ」と書いたそうだが、千年のときを待つことなく、生誕300年(没後216年)にして、若冲を世に知らしめた”具眼の徒”にしてMIHO MUSEUM館長辻惟雄氏のお蔭で、私達は若冲の美の世界を観ることが可能となった。
会場を後にするときチケット販売所には「200分待」の掲示が貼り出されていた。
5月18日には最大で5時間20分の長蛇の列となったとか。この日を避けて良かった!