マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

将棋の折田アマ、編入試験の受験資格を満たす

2019年09月04日 | 将棋

 将棋界に新たなドラマが生まれようとしている。藤井七段による最年少年齢更新劇ではない。26歳で止む無く奨励会を退会した男の、奇跡の蘇生譚である。
 現在、将棋界でプロとなるには2つの道しかない。
 (1)その一つは奨励会に入会し、順次クラスを上げ、最終的には30数名が在籍する「三段リーグ」で2位以内の好成績を上げること。
 (2)もう一つは「プロ棋士相手に好成績をあげ」て編入試験の受験資格を得、その試験に合格すること。プロ編入試験は「プロ公式戦で直近成績が10勝以上、かつ勝率が6割5分以上の成績」を収めたアマチュアまたは女流棋士が新四段5人と5番勝負を戦い、3勝で合格となっている。
 折田翔吾アマは8月30日のプロ公式戦で勝利し、直近成績が10勝2敗で受験資格を獲得し、対局後に受験の意志を表明した。彼は奨励会三段リーグに5年間10期在籍したものの、力及ばず、2016年3月に26歳の年齢制限で退会。「一つの人生が終わった。死んだに近い感覚」を味わった。
 




 その後は将棋講師として活動をしながらアマ大会で好成績を収め、出場資格を得た一般棋戦の「銀河戦」で7連勝をあげる活躍。これが受験資格を得る原動力となった。











 かって(1)以外でプロとなった棋士は2名しかいない。一人が瀬川晶司五段で、プロ相手に抜群の成績をあげ、将棋連盟に直訴し特例で編入試験を受けさせて貰い合格。自伝『泣き虫しょつたんの奇跡』は昨年映画化された。
 その後、編入試験は制度化され、その制度のもとで編入試験に合格したのが今泉健司四段。奨励会退会から再起して夢を叶えた2人に折田アマが続くだろうか。銀河戦7連勝中にその2人に勝利しているのが、偶然とはいえ面白い。
 その編入試験が又難関である。試験は11月から月に1局ずつ、最近棋士となった若手との5番勝負。3勝で合格となる。里見香奈女流5冠も編入試験の基準を満たす可能性が高い。しかし彼女は資格を得ても受験しないと語っているが果たしてどうなるか。ここにも注目が集まっている。
 一度ドロップアウトした人間の再生劇はドラマティックで面白い。ワクワクドキドキしながら、私は応援団の一員となる。