8月26日、中ッ原遺跡から縄文考古館へ行く途中JA信州に寄って自宅への荷物を発送した。その時に見たのが右のポスター。「縄文の夜神楽」と題する縄文遺産写真展だった。縄文文化の一端に触れた私は「この写真は何だろう。縄文遺産写真としてどんな写真が展示されているのだろう」と強い興味を持ち、行動予定を増やし、展示会場の「Ring Link Hall」にも回ることにした。車で回っている有り難さで、臨機応変の行動が可能だった。
展示会場は原村ペンション群の一角にあり、現在はペンションとしてではなく各種イベントの会場として使用されているらしい、元ペンションだった。作品を眺め始めるとコーヒーのサービスがあり椅子席からの鑑賞を楽しませてもらった。程なく撮影者滋澤雅人さんが見え、作品展の概略と個々の作品について解説・説明をしてくれた。
縄文の土偶や土器を太陽光の下で鑑賞するのではなく、焔光の如き仄かな光で照らし出して眺めると、今まで見て来た土偶や土器とは全く違ったものが忽然と出現したそうな。夢幻の妖姿の数々・・・。例えばそれは人間の顔であったり、猿の顔であったり。この玄妙な妖美に魅せられて、滋澤氏は全国18ヵ所の博物館で、平成14年秋以来大型モノクローム・フィルムで土器・土偶を撮影してきたそうな。方法論としては縄文土器・土偶を暗室で一定の光を当てモノクロ・プリントにするとか。
そうすることにより、土器・土偶の造形美を際立たせるだけにとどまらず、雄大な「縄文」の存在を浮かび上がらることが可能になるそうな。私には理解出来ない部分もあったが、人間や猿の顔が浮かびあがってくるのは作品を観てよく理解できた。
これらの作品を自宅でも観賞しようと写真集『縄文の夜神楽』(発行:KKエクセレント 定価2000円)を購入した。巻末の作品目録には撮影した土偶・土器の所蔵館が書かれていた。富士見町の井戸尻考古館や御代田町浅間縄文ミュージアムなど、その前を素通りした博物館も登場している。機会があればそこにも足を延ばしたいと妻と話した。
「縄文の夜神楽展」のHPを2つ紹介します。是非こちらを訪問してみて下さい。
http://www.yokagura.com/site/Gal/pr/ichikawa/index.htm
http://www.yokagura.com/site/jomon/ent-1/index.htm
(付記:写真展は9月11日まで。原村「Ring Link Hall」で。TEL:0266ー55ー5297)
又、写真はいずれもサンプルを掲示した。
(富山県埋蔵文化センター蔵) (伊那市創造館蔵)