「トニー滝谷」

市川準監督の映画「トニー滝谷」を鑑賞。

主演はイッセー尾形と宮沢りえ。写真のような綺麗な映像と優しい音楽とモノローグで流れるように一人の男の人生を紹介するようなゆったりとしたテンポの眺める映画でした。案外短い作品の割になかなか濃厚で感情移入も出来る物語で長期間の話がしっかり伝わる映画でした。エピソードを細かく描くのでは無く飛ばす事でその間にあった事柄が想像出来るのが見事だと感じた。どんな内容か全く知らずに見てたんですが急に驚きの展開があったりして興味深く見れました。印象に残って考えさせられた場面は着る人の居なくなった数々の洋服の存在を見る所で切なく複雑な感情になれました。優しい音楽は坂本龍一の作曲・演奏でした。ナレーションは犬童監督の声に似てたのでそうかな？と思ってたんですが西島秀俊さんでした。

実在した人物の物語と思って見てましたが村上春樹の小説が原作との事。何本か彼原作の映画を見た事はありますが長くてあまり響くものが無かった印象が強いですが今作は短くて伝わるものがあり時間と空気のようなものが感じれて良かったです。

脚本が良く出来ていて動く写真アートを美術館で解説付きで眺めるような感じで堪能出来ました。