はーやっと終わった……。
というわけでなぜか実績解除に不具合があって全然コンプできなかった「The First Tree」、ようやく実績コンプしました! なお不具合の原因は全く不明。
本作は一匹の狐の旅路を通して、その狐の夢を見た男・ジョセフとそのパートナー・レイチェルが過去を振り返っていくというアート系のゲーム。
まず最初に悪いところから言ってしまうと、このテのゲームにやり込み要素はいらなかったと思います。
本作にはやり込み要素としてマップに散らばったスター収集、隠しアイテム発見がありますが、これが作品側の語りへの没入を阻害する要因になっていると感じました。
隠しアイテムは発見すると、そのアイテムにまつわるジョセフの語りが聞けるのでまだ探す意味がストーリーと関連してるんですが、スター収集はストーリーとはあんまり関係ないし全部集めても新しいストーリーが見られるとかもないので、作品側が語りたいことと剥離してるんですよね。
さらに本作は作品の傾向とゲームのボリュームに対してマップが広すぎるので、迷ったり隠しアイテムを探したりしてる間はストーリーが停止してしまいます。そうなるとやはり語りに没入できなくなるので非常にもったいない。
全体的に「ゲーム」としての要素と「語り」としての要素が分離してしまってる感じを受けました。
反面、BGM、雰囲気、そして環境音は非常にいい。特にBGMはサントラが出てないのがおかしいと思うくらい。
前述の通り、本作はなんか実績周りに不具合があって条件を満たしてるはずなのに実績が解除されないので、1プレイ2~3時間くらいなのにもう30時間弱やってたわけですが、それでもBGMと雰囲気がいいのであんまり苦じゃなかったですね。
そしてこの寂寥感のあるBGMに雨や雪、土を踏む音といったような環境音がしっかり合ってて、自然の中を駆けていく狐の旅路を楽しめました。
ストーリーの方は言ってみればジョセフの自分語りなんですが、これがまたBGMに合ってていい。文章量こそ多いものの、父親との過去の確執、そして死を狐の旅路とともに振り返り、そして死に向き合っていくというストーリーには静かな感動を覚えました。
そして個人的にいちばん良かったのがエピローグパート。本作のグラフィックはいわゆるトゥーン調のものなんですが、夢から覚めたあとのエピローグパートでは一人称視点になり、グラフィックも写実的なものに変化するんですね。この変化からのラストシーンは非常に良かった。
なので返す返すもゲーム要素が軒並み邪魔になってるのが残念。この傾向ならもっとマップを狭くして収集要素も排除して語りに集中できるようにしてたほうがよかったと思わずにはいられません。
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