はい実はまだ残ってます紅楼夢戦利品レビュー。
まあ気長にお待ち下さい。
・芥川龍之介没後九十年記念合同「東方の人」(出藍文庫)
こちらは紅楼夢で今回もお隣になったサークルさんの本です。
タイトルの通り、芥川龍之介のさまざまな作品をイメージした二次創作小説の合同です。
表紙からして河童だし。
わたくしもたしなみ程度には芥川作品を読んでるわけですが、なんか読み慣れた芥川作品の文体や内容の中にごくごく自然な感じで東方キャラの名前が出てくるので、読んでいてなんだか芥川が本当に東方二次創作を書いてるというか、幻想郷にいる芥川が書いた作品を読んでるような、なんとも言えない不思議な気持ちになりました。
では収録作品ごとに感想をば。
・上海の馬利亜
色気のある文体で読んでて悶える。
レミリアと咲夜のお話なんですが、その描写や言動がうまーく芥川ナイズされててすごいなーと。
上記の通り、本当に芥川が書いた東方二次創作みたいです。
・勝手な受け皿
こちらは霊夢と魔理沙が芥川の著作について話すシーンが印象的。
このふたりのやり取りもどことなく芥川的です。
・目覚め
絶対1作品はあると踏んでた秘封モノ。
ごく短い掌編ですが、すごく芥川ですごく秘封。
個人的には秘封は谷崎潤一郎の空気が合う気がする……。
・東方邪宗門
いやー笑わせてもらいました。
これからは太子を笛ジャイアンと呼ばせてもらいます。
魔理沙門で最高に吹きました。
・夜来の星
東方濃度と芥川濃度がちょうど50・50って感じの作品。
こういう寓話的な話も東方には合いますね。
・魔理沙の形
魔理沙の死後の話。
さまざまな人妖の語る魔理沙の形が印象的です。
・くに知らずの赤河童
芥川で東方とくればもう河童なわけですが、本作はそれほど元ネタそのものではない感じ。
むしろ元ネタの方の外伝的な作品に感じられました。
・無意識
無意識と言えばこいしちゃん。
こいしちゃんに限らず地霊殿の面々は芥川作品のノリと相性が良い気がする。
・或阿呆の一生
元ネタがこれなら東方要素はどう来るか、と楽しみにしながら読み始めたんですが、阿求と妹紅はなるほどこの作品に合う気がします。
人里の面々はこういう作品に合うなあ……。
今日はここまで。
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