A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」「ドント・ルック・アップ」見てきました!

2022-02-12 23:44:16 | 映画感想
 今日もサンサン劇場に行ってきたわけですが、なんか帰ってきたらほんとに妖星ゴラスやるとか言ってるんですけどなんなんだよこの映画館は……。
 などとボーゼンとしつつも今日の感想です。
 今回見に行ったのはこの2本。
 
 
 
 まず「ヴェノム」。通算2回めの鑑賞となります。
 うーん、完全に同棲カップルがケンカする→仲直りする→新婚旅行の流れで笑う。
 前回の感想でも書きましたが、今作は完全にエディ&ヴェノム、クレタス&フランシス、ダン&アンの3組のカップルを描いている作品になってる感じです。
 こういう人間✕人外のカップリングは非常に好きなんですが、ややもすると人外側のほうがほとんどペットになってしまうこともあるもの。
 しかしなんというか、エディがかなりダメ人間な感じなのでどっちかというとデカい犬2匹といった印象。女性陣にもなんだか終始しょーがない奴だなーと思われつつも世話を焼かれてるのが微笑ましいです。
 そして毎回のことながら音響がパワーアップ。特にラストバトルのカーネイジの咆哮が凄まじく大迫力でした。
 そういや「スパイダーマン ノーウェイホーム」はまだ見てないんですが、本作のラストを見る限りそのままつながってる感じなんですかね。
 
 次、「ドント・ルック・アップ」。
 本作は例によって塚口の予告で初めて知った作品。
 半年後に地球に衝突する彗星の存在をなんとかして訴えようとして四苦八苦する大学生と科学者の姿と、それに無関心な大統領をはじめとする大勢の人々を描いたブラック・コメディ。
 予告映像以上の情報はなしで見たんですが、確かにブラック・コメディなんですがかなりブラックの味が強かったです。例えるならガンガンに煮詰めたブラックコーヒーだと思ってたら墨汁だった感じ。
 あれです、「帰ってきたヒトラー」と同じ方向性のブラックさです。
 こういう作風の映画を見て毎回思うんですが、よくもまあ自国をここまで露悪的に描写できるもんだなあ……。
 特にメリル・ストリープ演じるオルレアン大統領(この名前もまた皮肉が効いてるよなあ)の、なんというかマイナス方向に優秀な女傑っぷりが最高であるとともに、「いやいや仮にも大統領をこんな風に描写していいの?」と思ってしまいます。
 本作は上記の通りブラック・コメディではあるものの、その笑いはほとんど引きつり気味の笑いだった印象です。
 最初の方こそ彗星の第1発見者であるケイトとミンディ博士の空回りっぷりや大統領をはじめとする政府関係者の無関心っぷりで笑えてくるんですけど、だんだんふたりの焦燥をまったく意に介さない徴収や、ふたりの訴えがコンテンツとして消費されていき、さらにはミンディ博士が「人気キャラ」として祭り上げられていく流れにはある種のグロテスクさを感じました。
 そしてなんだかんだで彗星を核爆弾搭載のスペースシャトルで軌道をそらすってところまで行くんですが、まさかのUターン。
 彗星に大量のレアメタルが含まれているということで、土壇場を通り越したところで彗星を爆破して破片を回収する計画に変更するという展開に。
 このへんになってくるともう乾いた笑いしか出てきません。
 「いずれ訪れる世界規模の破滅を知った一部の人間だけが、世界中に必死で訴えかける」という展開はたくさんありますが、本作はその先に「その訴えは世界規模の無関心に飲み込まれる」というあまりにも残酷で皮肉な展開を描いています。
 最後まで彗星の実在と危険性を訴えて「LOOK UP!」と訴えるケイトらに対して、オルレアン大統領をはじめとする政府関係者は、本作のタイトルともなっている「DON'T LOOK UP!」と叫ぶ。
 これはあれです。「ゼイリブ」であり「1984」ですよ。本作はブラック・コメディであるとともにディストピア作品的側面も持っていると思います。騒ぎを起こすたびに袋を被せられて移送されるケイトたちのシーンの「袋を被せられる」っていうのもそういう意味でしょう。
 そして時は来て、ついに彗星は地球に衝突します。この手の危機的状況を描いた作品で、本当に地球が壊滅する、そしてその最後の瞬間までを描写している作品ってめったにないんじゃないでしょうかね。
 そして、迫りくる彗星のなんと美しいことか。そして家族や友人たちと最後の晩餐をともにするケイトたちのなんと美しいことか。
 なんというか、いわゆる「愚かな人類」の姿をさんざん見せつけられたあとなので、ラストシーンとスタッフロールには謎の清涼感がありました。
 で、そこからのスタッフロール後のパートが最高。
 中盤はかなりの胸糞展開でしたが、あのシーンだけで一気にスッキリしました。
 なかなかの傑作だったと思います。特にメリル・ストリープが強い。ああいう役ほんと似合うよなあ……。
コメント
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