A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

第17回東方紅楼夢戦利品レビューその4「八雲幻想縁起 六 八重垣」(K.K帝国)

2022-02-11 23:07:17 | 同人誌感想
 はい、まだまだ残ってました紅楼夢戦利品レビュー。
 つべこべ言わずに進めていきます。
 
・八雲幻想縁起 六 八重垣(K.K帝国)
 一昨年の紅楼夢前にtwitterで見かけてチェック、一気買いしたシリーズの最終巻。
 どこかで見たキャラクターと小泉八雲が、幻想郷を作っていくお話です。
 この世には明確に言語化できない感覚がたくさんあると思うんですが、その中のひとつに「東方っぽさ」があると思います。
 しかるに本作、基本的にはシリアスなんですが、登場人物たちがどこか朴訥としているというかすっとぼけた感があって、そういうところにいかにも「東方っぽさ」を感じます。
 というかこれから幻想郷と現世を隔てる結界を張ろうっていう重大イベントの前になっていきなり現場猫とか唐突すぎて吹いた。しかも八雲先生がまっさきにやってるし。
 しかし、そんなノリでバカやってるのも、あとから来る別れの悲しみを少しでも和らげようとしてるようにも見えます。
 現世と幻想郷を隔てる「博麗大結界」を張るというのは、二次創作としてはたくさんのサークルが描いてきたであろう古典的とも言える東方世界における一大イベントなんですが、本作では一大スペクタクルというよりも、淡々と、あるいは粛々と儀式を進めている感じでそこにも東方っぽさを感じました。ある種のシニカルさもあるような気もします。
 そしてラストシーン、静かに時の流れを映し出し、最後に現世と幻想郷の架け橋ともいうべきあのふたりを出してくる演出がたまりません。
 二次創作や考察にいわゆる正解はないと考えてますが、このラストは本シリーズの終わり方としては完全な正解だと言えるでしょう。
 
 今日はここまで。
コメント
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