雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

夏の王国で目覚めない

2012-05-30 20:00:15 | 

彩坂美月著"夏の王国で目覚めない"を読みました。
おもしろかったです。
どうなっていくのだろうと先へ先へと読み進みました。

天野美咲は高校生です。
父親が近所に住んでいた未知子と再婚しました。
幼馴染の守が義弟になりました。
美咲は新しい家族に馴染んでいません。
三島加深という4冊出版している作家に傾倒しています。
インターネットのファンサイトにたどり着き熱烈な
ファンたちと対話をしています。
管理人のジョーカーから架空遊戯に誘われます。
架空の人物になりきって指示された行動と会話を参加者と
して殺人の犯人を見つけるというゲームです。
犯人を見つけた人、あるいは逃げ切った犯人は未出版の
泉音の小説を手に出来ます。
夏休みで家族と諍いがあり書置きを残して美咲はゲームに
参加します。

登場人物は次の通りです。
亡くなった作家羽霧泉音の関係者です。
九条茜、サークルの後輩 美咲の演じる人物です。
高瀬浅黄、泉音の友人
草薙透吾、泉音の恋人
藤森紫苑、泉音の友人
青井瑞穂、泉音の友人
黒木高志 泉音のサークルの先輩友人
羽霧藍人、泉音の弟

寝台列車に乗り込みます。
黒木が部屋から姿を消します。
翌日藤森がナイフで刺されて死んでいるのが見つかります。
残った者は指示で紙戸駅で降車します。
フェスティバルの最中の町をあちらこちらと指示に
従って移動し、予約されていたホテルへ入ります。
翌日指示のあった観覧車に乗った4人は藍人が
追われて転落するのを目撃します。
残った4人は泉音が亡くなったとされる建物へと
移動します。
羽霧泉音=三島加深で彼らがなぞっている出来事が
実際に起きたことで加深はもう亡くなっているのではと
わかってきます。
残った4人はパニック状態で殺しあって全員死亡して
しまいます。

読んでみようという気になった人はここから先は
読まない方がいいですよ。
これで終わってもいいのですが実際にはここから先が
あります。
すべてを操っていたジョーカーが暴かれます。
グループの人が次々に殺されていくという小説は
たくさんあります。
高校生が主人公でまわりでどんどん殺人が起きる
なんて残酷な話だと思いました。
でも・・・ 一人も死んでいません。
みんな生き返ります。
いったい何のために仕組まれたゲームなのかよく
わかりません。
ジョーカーが加深の死の真相を知りたかったため
集まった人に推理させたというふうに見えますが、
目的がかなう前にグループ内で殺人が起きる
可能性は多いに考えられました。
なぜそんな危険を冒すのでしょう。
最終的には加深の真意が解き明かされて苦しんでいた
人は救われました。
関係ない人達を殺されるかもしれないという恐怖に
落とし入れてひどい話です。
最後の種明かしの部分はほっとした反面、なんか
気が抜けてしまいました。
美咲は家族というものを考え直す機会になりました。

かなり夢中で読んでいました。