雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

殺人配線図

2012-05-05 19:23:06 | 
仁木悦子著"殺人配線図"を読みました。
持っている本です。30年前ぐらいの出版です。
仁木さんのファンです。
新聞記者の吉村が主人公のミステリーです。
吉村は学生時代の友人の塩入にばったり会いました。
叔父が3階のベランダから転落死してその娘で従姉妹の
みどりを家に引き取りました。
みどりは父が死んだのは自分が髪油を割って後始末を
するのを忘れたためだといって打ち沈んでいます。
みどりの父親は偏屈な発明家です。
母方の高齢の祖母と、大学生の下宿人の尾根とお手伝いさん
がいっしょに住んでいました。

吉村はみどりの気持ちを変えるためなんでもいいから
みどりが原因ではないと思わせて欲しいと頼まれて
叔父の家の近くの塩入の家に逗留することになります。
調べるうちに事故ではなくて殺人ではないかと思うように
なります。

みどりが下宿人の尾根と結婚したいと思っていたこと。
父親が財産を宝石にしてどこかへ隠したといっていたこと。
前に同居していた助手の乙谷が行方不明になっていること。
父親にもう一人娘がいてどん底の生活をしているのに
冷たくあしらっていること。
人の発明を盗んで特許を取ったことなどがわかってきます。

転落した時ベランダの電球が切れており側には呼びつけ
られた尾根がいました。
顔の側を白い蛾が飛んで体をずらした時に転落して
いきました。

前に何度か読んでいます。
それでもおもしろいです。
ラジオの配線図が事件を解く鍵になっています。
抵抗のカラーコードの読み方なんかが出て来て
なつかしいです。
数回だけ電子部品のハンダ付けをしたことがあります。
抵抗の色を読む赤い人参、茶を一杯、青二才のろくでなし、
なんてごろあわせをかすかに覚えています。
仁木さん電気に強かったのでしょうか。

雰囲気がレトロだなぁと感じます。
みどりと尾根の様子もなんか現代とは違います。
転落死は殺人とはいえないです。
いわば自業自得です。