雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ソロモンの犬

2012-05-01 20:40:10 | 
道尾 秀介
文藝春秋
発売日:2007-08

道尾秀介著"ソロモンの犬"を読みました。
帯に書いてある登場人物4人の説明をもっと簡単に
書くと次のようになります。

秋内静 相模野大学応用生物学部三年生。アルバイトで
自転車便の配達員をしている。
友江京也 同級生、イケメン、無愛想、釣りが趣味。
ひろ子とつきあっている。
羽住智佳 クールでボーイッシュな女の子。
巻坂ひろ子 同級生。智佳とは対照的なかわいらしい
女の子。

途中まではたいくつだなぁと思いつつ読みました。
4人も好きにはなれません。
静の目を通して話は進みます。

微生物の教授の椎名鏡子の息子の陽介が交通事故で
亡くなりました。
その場面を静は見ました。
散歩させていた犬のオービーが突然道路に飛び出して
リードを握っていた陽介はひっぱられて車の前へ出て
しまい轢かれました。
そしてお母さんの鏡子も自殺してしまいます。

オービーはそのまま逃げてしまいました。
静は動物生態学の先生の間宮未知男に相談に行きます。
変った人と思われている間宮です。
アパートにはいろんな生き物がいっぱいです。
間宮が登場してきて物語の雰囲気が変りました。
ちょっと勢いが増した感じです。
動物の生態をいろいろ語ります。

この話は動物、特に犬の行動が重大な要素となっています。
なぜ突然飛び出したのかを犬の生態から突き詰めて
いきます。

静の行き来がなかった祖父が4人を呼んでくれて庭で
バーベキューをする場面があります。
なんか唐突なエピソードでした。
この話が後で効いてきます。

あわれオービー、大事なご主人様を死なせてしまう
ことになってしまいました。
オービーがこういう行動をとる原因となった人たちが
います。
大人たちの取った軽々しい行動です。
しわ寄せが未来ある子供に行ってしまったのです。

最後のほうは道尾さんの本によくあるびっくり
させられる話です。

オービーは間宮が引き取ります。
犬がどういう行動を取るかという話はおもしろかったです。