雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ホテル・ピーベリー

2012-05-26 20:56:03 | 
近藤 史恵
双葉社
発売日:2011-11-16

近藤史恵著"ホテル・ピーベリー"を読みました。
最後まで読んでこの本はミステリーに分類されるもの
なのかなと思いました。
ミステリーだと思わないで読んだ方がいいです。
木崎淳平が語る形式です。
淳平は小学校の教師でしたが退職して無職です。
友人の杉下にハワイ島のヒロに日本人が経営している
小さなホテルがある。そこは3ヶ月まで泊まれて一回
泊まった人は再度泊まることはできないと聞きました。
杉下にそこへ行くよう勧められます。

ヒロ空港へホテルの経営者夫婦の妻の瀬尾和美が
迎えに来てくれていました。
同じ飛行機で来た桑島七生という若い女性と
いっしょになりました。
ホテルにはそのほかに佐奇森真と蒲生祐司と青柳が
宿泊しています。
経営者の夫の洋介はオープンしたばかりのカフェを
営業するため一日中いません。無愛想な男です。
ホテルの掃除、洗濯は和美が一人でやっています。
朝食は付きます。夕食は予約すれば作ってもらえます。

どこへ行くにも車が必要です。
スーパーマーケットへ行くにも車です。
淳平は旅の間だけの出来事として和美と関係を
持ちます。
和美は淳平よりずっと年上です。
痩せた人です。
みんなのお母さんという感じの人です。

ほとんどの人が出かけていた日に蒲生がプールで
溺れて亡くなりました。
事故として処理されました。
蒲生は偽名だとわかり誰だかわかりません。
ピーベリーホテルを出ていった青柳がバイク事故で
続いて亡くなります。
ホテルの雰囲気がおかしくなります。
佐奇森もホテルを去ることになります。
和美はホテルを閉めるといい桑島、淳平にホテルを
替わってくれるよう申し出ます。

七生は婚約していますが男の態度に不満を覚えだまって
ハワイへやってきて3ヶ月を過ごすつもりです。
追いかけてきた男の「許してやる」という言葉に失望
して別れを決めます。
淳平は旅行中だけの出来事としていた和美との付き合い
でしたが、それだけでは済まない気持ちになっています。

淳平は一ヶ月あまりでハワイを去ります。
二人が死亡したことの事実はなんだったか突き止めて
再度ハワイを訪れます。

この謎解き部分はちょっとありえなくてしらけます。
これはどう考えても無理です。
ホテルのまわりがどんな状況か書かれていません。
読んでいる限りまわりに何もないところにポツンと
建っている感じです。
それにしたって十何年住めば知人は出きるでしょう。
ミステリー部分はさらっと読めばいいでしょう。
ハワイという日常生活を離れた地で何ヶ月かを
過ごすという生活部分がおもしろかったです。
別の場所でちょっとの間、暮らしたいと思いませんか?
ビーベリーでいっしょに暮していてもあまりお互いを
深く知り会おうとしないのは最近の現象なんでしょう。

淳平が教師を辞めた理由はちょっと問題です。
小学生の美少女に恋してしまったからです。
体にさわったとか何かしたわけではありません。
写真を取りまくってそれを焼付けに出してばれました。
ちょっと異常です。親は心配するでしょうね。

変った雰囲気の話でこの雰囲気嫌いではありません。