雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

空色メモリ

2012-05-16 22:14:40 | 
越谷 オサム
東京創元社
発売日:2009-11-27

越谷オサム著"空色メモリ"を読みました。
高校二年生の河本博士、通称ハカセはたった一人の
文芸部員です。
同じく二年の桶井陸は部員として登録はしていないけど
文芸部に入り浸っています。
部室のパソコンで日記を書いています。
それを空色のUSBメモリに保存して持ち歩いています。
この文章を空色メモリと名づけています。
新入生の野村愛美が入部してきます。
ハカセは野村が気になります。
でもどうしたらいいかわかりません。

男子バスケットボール部に入部した期待の新人が
新谷友一郎です。
女子生徒たちがキャアキャアと騒いでいます。
ハカセと陸は野村と新谷がハンバーガショップで
親密に話しているのを見かけます。

野村の靴が2回盗まれました。
部室に脅迫状めいたものが放り込まれます。
野村と出身中学が同じで現在同じクラスの宮崎サキは
江原という断ったら何をするかわからない同学年の
男につきまとわれています。
ハカセ、野村、陸とサキの4人で靴を盗んだ犯人を
捕まえようと張り込みます。
同じ頃に陸はUSBメモリを失くします。
メモリを手にした者からメールで野村を部から追い出せ
さもなくば、メモリの内容をインターネットでばら撒く
と脅されます。

ねたばれなしにかけないのでこの後は読むつもりが
ある人はご注意を。
陸は初めは内緒にしていましたがみんなにメモリを
失くし脅されていることを打ち明けます。
話し合って犯人は江原だと推理します。

野村と新谷は双子の姉弟でした。
両親が3月に離婚して別々にくらすことになり
そのことを内緒にしていたのでした。
新谷と陸のクラスメートでバスケ部の北畠も加わって
江原からUSBメモリを取り返す計画が立てられます。

サキの家に江原を呼び出します。
みんなはそれぞれ押し入れやベランダに隠れます。
ハカセが証拠を残すためビデオ撮影することになります。
江原はメモリを盗んだことを口にします。
そしてサキに乱暴をしようとします。
押入れから飛び出し江原に飛び掛った陸はナイフを
振りかざした江原に刺されます。
お腹にカイロとまくらをくくり付けていたため怪我は
まぬがれました。

USBメモリは無事取り戻しました。
サキも文芸部に入部することになりました。
陸も正式な部員となりました。
ハカセと野村、陸とサキといい雰囲気です。

江原の性格、読んでいるだけで気持ちわるいです。
ストーカーとしてつきまとうタイプの男です。
高校生からそんなのがあるのかとぞっとします。
今回江原のやったことは窃盗、脅迫、強制わいせつ未遂、
殺人未遂です。
野村の靴泥棒も江原がサキの靴箱と勘違いして
盗んだのでした。

野村は新谷と兄弟であることを隠そうとして
行動が不自然になっています。
両親の離婚ってそんなに人に知られたくないこと
なんでしょうか。
今の時代多くの人々が離婚しています。
隠すようなことではないように思います。

インターネットの時代です。一旦ネットに流された
情報は取り返しがつきません。恐いですね。