雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

安全靴とワルツ

2012-05-23 20:01:50 | 
森 深紅
角川春樹事務所
発売日:2011-12

森深紅著"安全靴とワルツ"を読みました。
仕事小説です。
主人公は坂本敦子で自動車工業の工場で生産管理の
仕事をしています。
仕事に熱意と誇りを持っています。
男性が多い中でばりばりと仕事をしています。
工場勤務から本社勤務になりました。
本社のチームでの仕事は時間に縛られ走り回る過酷な
ものです。
外国の人も多く働いています。
外国語がしゃべれないにもかかわらず海外出張して
他国の企業との交渉にも行きます。
工場勤務だった時に結婚するつもりで付き合っていた
人がいます。
彼の実家に行く予定でしたが忙しく仕事を取りました。
あっけなく結婚も付き合いも解消になりました。
両者ともあっけらかんと別れており結婚ってそんなに
気楽にできるものなのかと思いました。
無茶な予定もあちこちと調整して通さなければなりません。
クループ内のいざこざもあります。
彼女の仕事は部品とか製品とかを発注したり買い付け
たり、工程の管理をしたりするようなことです。

私も製品を作る会社に勤務していたのですが考えてみると
仕事がどのように流れていたかぜんぜん知りません。
設計、開発する部門と、実際に製品をつくる部門、
そして営業があるのはわかります。
仕事の振り分けや材料の手配、購入品の調達、外注製品の
発注、全体の流れを管理したり、品質管理をどの
タイミングでどこがしていたのでしょう。

この本はあまり描かれない職種のことが書かれていて
興味深いです。
きびきび働く人の様子を見ることは楽しいです。
しかしどういう仕事なのかいまいち理解できません。
前に読んだ"電車屋赤城"のように重苦しさが頭に
のしかかっているような状態で働くのではなく全力で
仕事に没頭できて幸福な人たちです。
くたくたになるほど忙しいというのはくせになる快感を
もたらします。
時として視野が狭くなってしまうことがありますから
そうならないよう注意は必要です。
主人公は女性ですが男性に置き換えても違和感はありません。