雑記帳

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北緯四十三度の神話

2012-05-22 21:03:43 | 
浅倉 卓弥
文藝春秋
発売日:2005-12

朝倉卓弥著"北緯四十三度の神話"を読みました。
北緯四十三度の札幌の話です。
菜穂子と和喜子は姉妹です。
菜穂子が中学生の時に二人はがスキーに行きそこで
菜穂子の同級生の樫村に出会いました。
その後両親は交通事故で亡くなり祖父母に引き取られました。
姉妹は別々の高校へ進みました。
菜穂子は地元の大学へ進みそのまま大学へ残り研究生活を
しています。
和喜子は東京の大学へ進みました。
大学で樫村と出会い二人は付き合いだします。
樫山は別の大学で学び直そうとします。
パイロットになりたかったのです。
樫村は練習中に墜落して亡くなりました。
喜和子は札幌に戻りラジオの深夜番組のパーソナリティーを
しています。

姉妹は喧嘩しているわけではないのですがスムーズな関係
ではありません。
なんとか修復しようとする話です。
ほんとはお互いを大切だと思っているのです。
嫌いだと思っているのならいっしょに住まない
でしょうし、辛い思いもしないでしょう。

和喜子の一方的な思い込みが大きいのです。
樫山が菜穂子に付き合って欲しいといったことは
ありますが高校生の時のことです。
冗談のように口にしただけで実際に付き合ってはいません。
樫山と姉との間に無理やり割り込んで樫山を奪った
のだと和喜子は思っています。
樫山が亡くなる間際に"桜葉"と言ったと看護師から
和喜子は聞きました。
樫山は和喜子を苗字で呼んだことがなく樫山が
最後に姉を呼んだと思い込みました。
愛されてなかったという思いが和喜子を苦しめます。

菜穂子はその話を聞いてもう一度看護師に会って
詳しく話を聞くようアドバイスします。
看護師から再度話を聞いて和喜子の悩みは解消されます。
菜穂子はシカゴの大学へ行く機会に恵まれ旅立ちました。
シカゴは北緯四十三度だそうです。

姉妹はめんどくさい関係だなぁと思いつつ、
いいなぁとも思います。