2013年の牡馬クラシック最終戦・第74回菊花賞(GI・芝3000m 18頭立て)が20日、京都競馬場で行われました。皐月賞馬・ロゴタイプ、日本ダービー馬・キズナが不在という今年の菊花賞は、神戸新聞杯を快勝した③エピファネイアを始め、東のトライアル・セントライト記念を勝った⑮ユールシンギング、神戸新聞杯2着の⑱マジェスティハーツ、同レース3着の⑭サトノノブレスといった「トライアル組」、兵庫特別から菊花賞に参戦してきた⑩バンデ、ラジオNIKKEI賞を勝った①ケイアイチョウサン、京都コース3勝の⑧タマモベストプレイ、特別競走で古馬相手に2勝している④フルーキー、青葉賞馬⑪ヒラボクディープなどが出走しました。
レース直前の単勝オッズは、エピファネイアが単勝1.6倍と圧倒的な1番人気。2番人気には⑱マジェスティハーツ(8.7倍)。10倍以下は2頭のみで、3番人気以降はバンデ、ユールシンギング、サトノノブレス、フルーキー、ケイアイチョウサン、⑰ラストインパクトと続きました。
最後の一冠をかけた一戦はばらついたスタートで始まり、エピファネイアは好スタートを見せたが、マジェスティハーツは出遅れて最後方からのスタート。先行争いで②ネコタイショウが飛び出すが、バンデが押して押して先手を奪った。1周目の外回り3コーナーの下り坂でエピファがネコタイショウに並ぶが、掛かっているみたいだ。4番手には⑫ナリタパイレーツ、5番手にラストインパクト、6番手にタマモベストプレイ、その後ろにサトノノブレスが7番手で追う。最初のスタンド前に差し掛かり、先頭で引っ張るバンデは前半1000mを61秒台で通過。3番手追走のエピファネイアはまだ落ち着かないか?ノブレスは7番手、チョウサンは中団9番手、フルーキー、ダービーフィズ、ユールは11番手集団の中、⑯アドマイヤスピカ16番手、ハーツは最後方でゴール板を過ぎて行きました。
1コーナーから2コーナーに向かうところで縦長の状態になり、バンデとネコタイショウが先頭集団を形成し、3番手のエピファネイアも2周目の向正面で折り合いがつくようになりました。単独4番手にラストインパクト、その後ろ5番手にベストプレイが追走。6番手にナリタパイレーツ、ヒラボクディープが7番手、中団グループにはサトノノブレス、ケイアイチョウサン、ユールシンギング、⑨インパラトールの4頭が固まっている。12番手フルーキーと⑦アクションスターが12番手で並走、ダービーフィズ14番手。15番手に⑤テイエムイナズマ、スピカ16番手、マジェスティハーツと⑥ヤマイチパートナーがしんがり追走。後方2頭は武兄弟が乗っています(ユタカ・ハーツ、幸四郎・ヤマイチ)。
18頭が2回目の外回り3コーナーに差し掛かり、坂の下りでバンデが相変わらず先頭をキープ、ネコタイショウがズルズル下がってエピファが2番手に浮上。3番手にはパイレーツとラストインパクトが並び、外からユールとヒラボクディープ、内からノブレスも上がって来た。4コーナー手前でエピファがバンデの背後にピッタリ付けると、最後の直線でエピファネイアが先頭に躍り出た!2番手争いではサトノノブレスとラストインパクトがバンデに迫る。しかし、独走するエピファを捕らえる脚力はもう無い。先頭を行くエピファネイアは残り100mで後続を引き離し、ぶっちぎりの圧勝でゴールイン!エピファネイア&福永祐一、春の雪辱を見事に果たし、3度目の正直でGIタイトルを手にしました!
菊花賞全着順&払戻金
1着③エピファネイア 3分05秒2
2着⑭サトノノブレス 5馬身
3着⑩バンデ クビ
4着⑰ラストインパクト 2馬身
5着①ケイアイチョウサン ハナ
6着④フルーキー 2馬身1/2
7着⑯アドマイヤスピカ アタマ
8着⑧タマモベストプレイ 1馬身3/41
9着⑦アクションスター 1馬身1/2
10着⑥ヤマイチパートナー 3馬身
11着⑤テイエムイナズマ 1馬身
12着⑫ナリタパイレーツ 1馬身1/22
13着⑱マジェスティハーツ クビ
14着⑨インパラトール クビ
15着⑮ユールシンギング クビ
16着⑬ダービーフィズ 3馬身
17着⑪ヒラボクディープ 9馬身
18着②ネコタイショウ 大差
単勝 ③ 160円
複勝 ③ 110円 ⑭ 290円 ⑩ 310円
枠連 [2]-[7] 420円
馬連 ③-⑭ 950円
馬単 ③-⑭ 1,170円
ワイド ③-⑭ 470円 ③-⑩ 560円 ⑩-⑭ 1,900円
3連複 ③-⑩-⑭ 3,910円
3連単 ③―⑭-⑩ 11,750円
不良馬場の中で行われた今年の菊花賞は、エピファネイアが圧倒的1番人気の期待に応え、2着に5馬身差を付けての圧勝で優勝。3度目のGI挑戦でクラシック最後の一冠を獲得しました。2着争いではサトノノブレスが2着に入り、道中レースを引っ張って来たバンデが3着になりました。2番人気だったマジェスティハーツは13着、ユールシンギングは15着という結果に終わりました。
優勝したエピファネイアに騎乗した福永祐一騎手は菊花賞初勝利。自身のGI勝利は2012年の安田記念以来で、JRA・GI17勝目となります。福永騎手は牝馬クラシックでは何度も勝っているけど、牡馬クラシックとは長い間無縁でしたが、騎手生活18年目で悲願の初制覇です。福永騎手はこの日の5レースで落馬するアクシデントがあったんですが、菊花賞ではその影響は全くありませんでした。先週末に年間100勝を達成し、私生活でも奥様の松尾翠さんの妊娠が発覚。この週末はGI制覇と公私共に上手く行ってますね~。
2歳時には「西の横綱」、「クラシック最有力候補」と言われていたエピファネイアでしたが、皐月賞の時は折り合いを欠き2着、ダービーの時は直線で一旦は先頭に出るも、キズナに差されてまたしても2着。春のクラシックで2連続2着と悔しさだけが残りました。しかし、秋を迎えてエピファが本領発揮。秋初戦の神戸新聞杯では格の違いを見せつけ快勝。この日の菊花賞では、序盤から先行策で進み、課題の折り合い面では前半苦労しながらも、徐々に落ち着きました。最後の直線で抜け出すと、あとは突き放すだけ。不良馬場も苦にせず、京都3000mを力強く駆け抜けました。
ようやくGIホースの仲間入りを果たしたエピファネイア、次の目標はジャパンカップか有馬記念のどちらかに参戦してくると思います。ここ2戦の走りぶりからすれば、古馬に勝てる可能性も無くはないし、年内にもう一つGIタイトルを獲れば、年度代表馬も夢じゃないかも。お父さんのシンボリクリスエスも3歳秋になって本格化したので、エピファもこれからますます強くなるでしょう。あと、ロゴタイプとキズナとの再戦も見たいぞ~。
来週は東京競馬場で秋の実力日本一決定戦・第148回天皇賞(秋)が行われます。昨年の年度代表馬・ジェンティルドンナ、重賞3連勝中の上がり馬・トウケイヘイロー、昨年の優勝馬・エイシンフラッシュ、2011年の覇者・トーセンジョーダン、京都大賞典で大波乱を演出したヒットザターゲット、宝塚記念2着・ダノンバラード、春天2着・トーセンラー、他にもジャスタウェイ、ダークシャドウ、ジャスタウェイ、アンコイルド、ヴェルデグリーン、3歳馬・コディーノなどが出走登録しています。ゴールドシップとフェノーメノ不在なのが残念ですが、今年の秋天も激戦必至です。