アメリカ・メジャーリーグのワールドシリーズの第6戦が、日本時間の31日・ボストンの「フェンウェイ・パーク」で行われました。上原浩治投手と田澤純一投手が所属しているボストン・レッドソックスが、セントルイス・カージナルスを6-1で破り、2007年以来6年ぶり8回目のワールドシリーズ制覇を果たしました。
第5戦終了時点でレッドソックスが3勝2敗で迎えた第6戦は、レッドソックスが3回に1番・エルズベリーのヒット、3番・オルティスの四球、5番・ゴームズの死球で2死ながら満塁のチャンスを作り、6番・ビクトリーノがカージナルス先発・ワカの4球目を捉え、 レフトの「グリーンモンスター」の上段に直撃する走者一掃のタイムリー2塁打。満塁のランナーが一挙に生還して3点を先制します。さらに4回、先頭の8番・ドリューが初球を振り抜き、左中間スタンド(ブルペン)に飛び込むソロ本塁打で1点を追加。この後、2死1,3塁で4番・ナポリのセンター前タイムリーヒットで5点目、さらに満塁でビクトリーノがレフト前タイムリーを放ちこの回3点目。4回までに6-0と大きくリードします。
レッドソックス先発・ラッキーは、味方打線の大量援護に恵まれて、6回までカージナルス打線を無得点に抑える好投を続けます。しかし7回、2死から連続ヒットを浴びて2,3塁のピンチを背負うと、カージナルス2番・ベルトランにレフト前タイムリーを許して1点を失う。なおも自らの暴投&3番・ホリデーに四球を与え、2死満塁を背負ったところで、田澤純一と交代。ホームランを浴びれば1点差という場面で2番手として田澤は、カージナルス4番・クレイグを1塁ゴロに打ち取りました。
レッドソックス5点リードで迎えた9回、ボストンの守護神・上原浩治が4番手で登板。まず先頭バッターのカージナルス8番・ジェイをレフトフライに打ち取り1アウトを取ると、続く9番・デスカルソにもレフトフライ。下位打線2人を簡単に抑え、1番・カーペンターにファウルで粘られるも、最後は空振り三振に仕留めてゲームセット!上原が3者凡退で締めくくり、レッドソックスが世界一に輝きました!
上原投手と田沢投手、優勝がかかった大事な一戦で見事なピッチングを見せてくれましたね。田沢投手はわずか2球で相手の反撃を断ち切る好リリーフを見せれば、上原投手は3者凡退で胴上げ投手になりました。アリーグ優勝決定戦で1勝3セーブの好成績でMVPを獲得すると、ワールドシリーズでは5試合も投げて2セーブ。第3戦では黒星は付かなかったけど走塁妨害でサヨナラ負けを喫しましたが、第4戦と第5戦の2戦連続でセーブを挙げました。この試合も登板して5連投となったけど、連投の疲れを感じさせませんでした。
上原投手は2008年まで巨人でプレーした後、2009年にオリオールズに移籍。オリオールズ時代は中継ぎのエースとして活躍しました。2012年のオフにレンジャーズからレッドソックスに移籍し、今季のシーズン開幕時は中継ぎでしたが、途中から抑えに抜擢されました。クローザーになってから本領を発揮し、37人連続アウト、27試合連続無失点という記録を打ち立て、73試合で4勝1敗21セーブ13ホールドの成績で優勝に大きく貢献しました。
「雑草魂」と言われた人が、いつしかレッドソックスのチームメイトとボストン中に愛される選手になり、「世界一のクローザー」に。38歳の遅咲きのヒーローがアメリカンドリームを掴みました。「Excited」なピッチングで日本のMLBファンを熱くさせた上原投手、ワールドシリーズ優勝おめでとうございます。そしてお疲れさまでした!