10月14日の体育の日は、東京競馬場でエリザベス女王杯とマイルチャンピオンシップに向けてのステップレース「府中牝馬ステークス」、さらに地方・盛岡競馬場で秋のダートマイル王決定戦「マイルチャンピオンシップ南部杯」が行われました。
東京メイン・第61回府中牝馬ステークス(GⅡ・芝1800m 13頭立て)は、エリザベス女王杯馬⑩レインボーダリア、昨年のヴィクトリアマイル覇者⑪ホエールキャプチャ、2011年桜花賞馬②マルセリーナのGI馬3頭の他に、昨年のこのレースの勝ち馬⑥マイネイサベル、マーメイドステークス3着④アロマティコ、重賞2勝の⑤ハナズゴール、⑬ドナウブルー、3歳牝馬③スイートサルサが参戦しました。
レースは揃ったスタートで始まり、好スタートを切った⑦コスモネモシンが先手を取り、ドナウブルーが2番手で追う。ちょっと離れた3番手にホエールキャプチャ、その内の4番手にスイートサルサがつける。5番手集団にはハナズゴール、マイネイサベル、マルセリーナの3頭が一団を形成。その後ろの8番手グループにレインボーダリア、①ミッドサマーフェア、アロマティコが並び、後方は⑫パワースポット、⑨スピードリッパー、⑧ゴールデンナンバーと続く。
3コーナーを回り、ネモシンがゆったりとした流れでレースを引っ張り、3番手のホエールがドナウの背後につき、ハナズゴールが単独5番手。イサベルは7番手、アロマティコはまだ馬群の中。13頭一団の状態で4コーナーをカープして最後の直線に入り、逃げるコスモネモシンをホエールキャプチャとドナウブルーが接近。馬場の真ん中からハナズゴール、大外からゴールデンナンバーが追い上げる。残り200mを切り、ホエールがネモシンをかわして先頭に立ち、2番手を争うドナウブルーとスイートサルサに迫られるも、追撃を振り切って1着でゴールイン!GI馬ホエールキャプチャが約1年半ぶりの勝利!
この秋の牝馬戦線を占う府中牝馬ステークスは、道中は好位で追走していたホエールキャプチャが、残り200mで抜け出し、ドナウブルーを抑えて優勝。2012年5月のヴィクトリアマイル以来、実に1年5か月ぶりの勝利を飾り、重賞4勝目を挙げました。GI制覇以降は2ケタ順位が続き、今年のVMで2着惜敗の後、前走の札幌記念で14着と惨敗しましたが、得意の府中コースで復活を遂げました。2着にはドナウブルー、3歳馬・スイートサルサが3着と健闘。連覇を狙ったマイネイサベルは4着、1番人気のアロマティコは7着同着、3番人気・ハナズゴールは9着に終わりました。
盛岡競馬場で行われた第26回マイルチャンピオンシップ南部杯(交流GI・ダート1600m)は13頭立てで争われました。JRA勢からは、かしわ記念と帝王賞を勝った⑫ホッコータルマエ、南部杯2勝の実績を誇るベテラン馬⑧エスポワールシチー、フェブラリーステークス以来の実戦となる③グレープブランデー、更には⑩セイクリムズン、⑨アドマイヤロイヤル、④ダイショウジェットの6頭が参戦。対する地方勢は、地元・岩手から⑪コスモフィナンシェと⑬ランドオウジ。他地区から②グランシュヴァリエ(高知)、⑤トウホクビジン(笠松)などが出走しました。
2コーナー奥のポケットからスタートしたこのレース、好スタートを切ったエスポワールシチーが先手を奪い、ホッコータルマエが2番手につけ、グレープブランデーが3番手。4番手集団にはセイクリムズンとコスモフィナンシェ、6番手に①コスモワッチミー(高知)が追走。中団の7番手付近に⑤エプソムアーロンと⑬コスモオウジが並走し、ダイショウジェットが9番手。その後ろの10番手にアドマイヤロイヤル、後方は②グランシュヴァリエ、トウホクビジン、⑦セイカアレグロ(金沢)と続く。
3コーナーを回り、依然としてエスポワールが逃げ、タルマエが単独2番手、4番手のセイクリムズンがグレブラに並びかけ、3番手に上がろうとしている。残り400mを通過したところでエスポワールシチーが後続勢を引き離してラストスパート。ホッコータルマエも2番手から前を追うも、差が全く縮まらない。3番手争いではセイクリムズンがグレープブランデーをかわす。残り100mでタルマエがエスポワールに迫るが、エスポワールシチーがそのまま先頭でゴールイン!盛岡マイルを鮮やかに逃げ切って2連覇達成、そして通算3度目の南部杯制覇です!
5年連続出走の「ミスター南部杯」エスポワールシチーが、スタートから先手を奪うと、4コーナーから直線で後続を突き放し、ゴールまで先頭の座を譲らず、軽快な逃げ脚でライバルを退けました。まさに「影を踏ませぬ走り」を見せたエスポワールは、約1年ぶりの勝利でダートGI8勝目を挙げるとともに、史上3頭目の南部杯連覇(GI昇格後)、ブルーコンコルドに並ぶ最多タイの3勝目を果たしました。8歳になっても衰え知らず、盛岡ではよく走りしますなあ。
GI3連勝を狙ったホッコータルマエは、1馬身半差の2着に敗れ、自身の連勝も5でストップ。3着にはセイクリムズンが入り、骨折休養明けのグレープブランデーは4着という結果に終わりました。6着のダイショウジェットまで中央勢が独占し、地方勢はコスモワッチミーの7着が最高でした。
優勝したエスポワールシチーに騎乗した後藤浩輝騎手は、2000年以来となる南部杯2勝目。後藤騎手は落馬負傷(第一頚椎・第二頚椎骨折、頭蓋骨亀裂骨折)により昨年9月から1年間も戦列から離れていましたが、今年10月5日にようやく実戦復帰。復帰後初のGI騎乗となった南部杯で勝利し、盛岡のファンの前で完全復活をアピールしました。騎手生命の危機を乗り越えてターフに戻って来た後藤騎手、今後の更なる活躍を期待したいところです。
10月20日は京都競馬場で牡馬クラシック最終戦・第74回菊花賞が行われます。皐月賞馬・ロゴタイプ、ダービー馬・キズナ不在という今年の菊花賞は、神戸新聞杯で快勝したエピファネイア、セントライト記念を勝ったユールシンギング、マジェスティハーツ、ダービーフィズ、インパラトール、ケイアイチョウサンなどが登録しています。皐月とダービーで2着だったエピファネイアが、惜敗続きにピリオドを打ち、最後の一冠を手にすることができるのか?