新春恒例のスポーツイベント「第91回 東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」は、2日に往路(5区間・107.5キロ)が行われました。今年は前回優勝の東洋大学、全日本大学駅伝王者・駒澤大学、予選会1位・神奈川大学、2年前の優勝校・日本体育大学、初出場の創価大学、オープン参加・関東学生連合ら21チームが出場しました。初日の往路では、山登り区間で逆転劇が起こり、「3代目山の神」が誕生しました!
午前8時、21チームが東京・大手町の読売新聞新社屋前を一斉にスタート。東洋・田口雅也がスタートからいきなり飛び出し、先頭で集団を引っ張る。15キロ過ぎに青山学院大学・久保田和真が前に出ると、先頭集団は青学・東洋・明治大学・駒澤の4チームに絞られる。19キロ手前で東洋・田口と駒澤・中村匠吾が一旦抜け出すも、青学・久保田、明治・横手健が追いつく。19.7キロで中村と久保田がスパート。20.5キロで中村が久保田を振り落とす。そして、最初の鶴見中継所、駒澤が先頭で通過。その2秒差の2位に青学、明治が8秒差で3位、東洋は13秒差の4位。早稲田大学は11位、創価大は13位、日体大は18位と出遅れた。
各校のエースが集う2区は、駒大・村山謙太(兄)と城西大学・村山紘太(弟)の「村山ツインズ」、東洋・服部勇馬が出走。
4位スタートの服部勇馬は、3.2キロ過ぎに青学を抜いて2位に上がると、5.5キロ過ぎにトップの駒大・村山謙太に追いつく。16位でタスキを受けた城西・村山鉱太は、10キロ通過で12位浮上。その後もグングン順位を押し上げ続ける。
謙太VS勇馬の首位争いは、権太坂(15.3キロ)を過ぎたところで謙太が前に出て、16キロ過ぎに勇馬を引き離す。しかし、勇馬も盛り返し、19.1キロで謙太を抜いて先頭に躍り出る。
後続では、青学大・一色恭志が3位に躍り出ると、22.8キロで駒大・謙太をかわして2位に浮上。
戸塚中継所に入り、3チームがほとんど同時に入り、東洋・服部勇馬が先頭でタスキを繋ぐと、2秒差で駒澤と青学大が同時にタスキリレー。その後、4位・明治、5位・早稲田、6位・神奈川、7位・東海大学と続き、城西・鉱太は8位で3区のランナーにタスキ渡し。16位から8人抜きの快走で、区間2位を獲得しました。(兄・謙太は区間4位)
3区、駒大・中谷圭佑がいきなり先頭を奪い、東洋・上村和生も付いて行く。後続では4位でタスキを受けた明治・有村優樹が青学・渡邉利典に追いつき、6キロ過ぎに単独3位に上がる。後方では、中央学院大学・塩谷桂大が戸塚11位から6位までポジションを上げた。
8.2キロ過ぎに首位争いに動きがあり、中谷が上村を引き離し、駒澤が再び首位。東洋・上村はその後、明治・有村、青学・渡邉にも抜かれ4位に転落。トップの駒大・中谷は2位に17秒差をつけ、平塚中継所をトップで通過。明治が2位、3位争いは青学が制し、戸塚で首位だった東洋は4位。5位以降は、早稲田、中央学院、城西、東海、大東文化、中央大と続く。
4区、首位の駒大・工藤有生は安定した走りで2位に差を拡げる。後続では、青学・田村和希が工藤以上の快走を見せ、9.1キロ(二宮)を25分50秒で通過。12キロ手前で明治・松井智靖をかわして2位に躍り出る。しかし、松井も引き下がらず、田村と松井の2位争いは小田原中継所まで続いた。後続で2人が競り合う中、首位の駒大・工藤は最後まで快走を続け、2位に46秒差をつけて平塚中継所をトップで通過。54分31秒と従来の区間新記録(54分34秒)を破る。2位争いでは青学・田村が2位、明治・松井が3位。田村和希は54分28秒で走り切り区間新記録を達成した。
山登りの5区、トップの駒大・馬場翔大は最初の5キロを14分52秒で入る。2位の青学・神野大地は必至の追い上げを見せ、5Km通過時点で駒大に39秒差、9キロ過ぎたところで16秒差、大平台(9.6キロ地点)で10秒差まで詰めた。そして10.5Km、神野が馬場を抜き、青山学院大学が首位に躍り出た!神野の勢いは止まらず、小涌園前(14.2キロ)で2位に約1分差、芦ノ湯(18.4 km)で3分8秒と大差をつける。
後方では、18位でタスキを受けた日本大学・キトニーがごぼう抜きショーを繰り広げ、7人抜きで12位まで押し上げる。
20キロ過ぎ、3位の明治・文元慧が駒大・馬場をあっさりと抜いて2位に浮上。駒大は3位転落。
先頭の青学・神野は最後まで脚色を変えず、ゴール・芦ノ湖を先頭でフィニッシュ!青山学院大学が往路初優勝!青学がゴールしてから4分59秒後、明治大学が2位でゴールイン。一方、駒大・山本にアクシデント。21.2キロ付近で足が止まり、再び走り出すも東洋大に抜かれて4位後退。ゴール手前でまた足が止まり、最後は倒れこみながらゴールイン。
往路順位
1位 青山学院大学 5時間23分58秒
2位 明治大学 5時間28分57秒
3位 東洋大学 5時間30分47秒
4位 駒澤大学 5時間31分23秒
5位 中央学院大学 5時間32分26秒
6位 早稲田大学 5時間33分02秒
7位 東海大学 5時間33分55秒
8位 城西大学 5時間35分09秒
9位 大東文化大学 5時間35分21秒
10位 中央大学 5時間35分25秒
11位 拓殖大学 5時間35分36秒
12位 日本大学 5時間37分29秒
13位 山梨学院大学 5時間38分53秒
14位 神奈川大学 5時間39分09秒
15位 順天堂大学 5時間39分18秒
16位 帝京大学 5時間39分18秒
17位 日本体育大学 5時間41分48秒
18位 上武大学 5時間41分55秒
19位 国学院大学 5時間42分48秒
20位 創価大学 5時間44分45秒
※ 関東学生連合 5時間38分27秒(オープン参加)
区間賞
【1区】駒大・中村匠吾(4年) 1時間2分00秒
【2区】東洋大・服部勇馬(3年)1時間7分32秒
【3区】駒大・中谷圭佑(2年)1時間2分40秒
【4区】青学大・田村和希(1年)54分28秒※区間新
【5区】青学大・神野大地(3年)1時間16分15秒
箱根駅伝初日の往路は、青山学院大学が往路初優勝。3区を終えた時点では、駒澤大学に49秒のビハインドがありましたが、4区の1年生・田村選手が区間新記録の快走を披露すると、5区・神野大地選手が小田原での46秒差を逆転。柏原竜二さん(東洋大OB・現・富士通所属)の持つ1時間16分39秒(※旧コースでの区間記録。コース変更により参考記録扱い)を上回るタイムで箱根の山を駆け抜け、最後は2位に約5分差の大差で圧勝しました。過去19回出場して、総合順位は昨年の5位が最高。節目の出場20回目、陸上部創部98年目、青山学院創立140周年、大学開設65周年で、悲願の総合優勝となるでしょうか?
2位の明治大学は、64年ぶりとなる「往路2位」。総合V2を狙う東洋大学は、首位から6分49秒差の3位で復路に臨みます。4位の駒澤大学は、3区と4区で首位をキープするも、5区の馬場選手が「低体温症」で大ブレーキ。まさかの大誤算で7分25秒差の4位。タスキが途切れなかったことが幸いだったが、全日本との2冠は絶望的だ。5位の中央学院大学は、予選会5位からの大躍進。シード権争いは、8位・城西から11位・拓殖まで27秒差。12位の日大も10位・中大に2分4秒差と逆転シード入りの可能性も残されています。初出場の創価大学は最下位の20位でした。
3日の復路は、午前8時に首位・青山学院大学が芦ノ湖を出発。7位の東海大学(9分57秒差)までが時差スタートで、青学が出発してから10分後に8位の城西大学以下の14チーム(学生連合も含む)が一斉スタートとなります。往路王者・青学がこのまま逃げ切るか?それとも明治が4分59秒差を逆転するか?そして、混戦のシード権争いを制するのはどこか?全ては復路で決まる…。