かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

農水省はいい加減食料「だけ」入ってこないなんていう空想はやめて、本気で食料安全保障を考えて欲しいと思います。

2022-06-11 20:35:19 | Weblog
 奈良市の今朝の最低気温は20.9℃、昼の最高気温は24.1℃、五條市の今朝の最低気温は18.2℃、昼の最高気温は23.1℃でした。今日は朝から雨が降ったり止んだりで気温も振るわない寒々しい一日でした。東日本では雨続きで日照不足の上に異例の低温傾向が続いており、色々と農産物に影響が出ているそうですが、こちらは昨日のように真夏並みの暑さになるかと思えば今日のように低い日もあると激しく日々乱高下し、身体に著しい負担を強要してきます。西も東も程よく穏やかに天候が変わってくれたらいいのですが、最近は特に優しくない気候変動が目立つみたいです。

 さて、なぜかこの春頃にSNSに出ていた記事がまたネットニュースで取り上げられていたりしているのですが、農水省が発表した輸入途絶の場合の朝昼晩3食の食事の例という、うどんや味噌汁は2日に1杯、納豆は3日に2パック、とか注釈が書いてあるパネルをバックに料理見本が並べられたどこぞの展示の写真です。料理見本はご飯やさつまいもなど炭水化物ばかりの食事内容で、よく見たら2015年の農地見込み面積などを前提に熱効率を最大化(2020kcal)した場合の試算、とパネルに書いてあることから、少なくとも2015年頃の展示物であると思われます。なんで今頃話題になるのだろうと不思議に思いましたが、農水省というのも大概大うそつきというかありえない想定をしたものだと思わざるをえません。食料の輸入が途絶している設定のはずなのに、ほとんど輸入に頼っているうどん用小麦とか大豆を使う納豆や味噌とか書いてありますし、なぜか夕食のおかずに鮭の切り身を焼いたものが出ていますが、我が国のどこに一般家庭の食卓に上るような国産の鮭があるというのでしょう? 第一食料輸入が途絶する状況で問題なく石油が入ってくると考えていること自体信じられないというもので、農機具を動かす油が無ければ、ただでさえ高齢化が進む農業や漁業の現場で食糧生産などできないですし、田畑や海で採れたものを消費地まで運ぶことすらできません。
 しかし、2015年でこれだと、耕地面積がどんどん減って高齢化も一段と進んでいる現代では更に厳しい状況になっていることでしょうね。農水省は、改めて石油も途絶もしくは強い貿易制限で、燃料が配給になったり使えなくなった状況も想定し、耕地減少と高齢化を加味した上で、食卓がはたしてどうなるか、やり直したらどうでしょう? それも、比較的生産物が得やすい田舎と運んでこなくてはならない東京などの大都会とに分けてみるといいと思います。そうやって最悪の事態が生じた時の自分たちの無力ぶりを一度噛み締めてみれば、もう少しマシなことが考えられるようになるんじゃないでしょうか? 少なくとも、今のような一次産業にしか目を向けない現状は改めて、総合的な食料安全保障を考えられるようになるんじゃないかと思います。

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