ISOな日々の合間に

土曜日は環境保護の最新の行政・業界動向、日曜は最新の技術動向を紹介。注目記事にURLを。審査の思い出、雑感なども掲載。

誤解だらけの「危ない話」

2009年03月05日 | 雑感
建設業界の談合、JR東日本・信濃川発電所の取水プログラムの改ざん、古紙の偽装、あるいは、食品偽装など種々の企業不祥事とISOの係わりがしばしば話題になる。個人的な意見として、ISO審査の基本はシステム審査であり、企業が意図的に隠している事件を審査の場で見出すことは困難である。

これらの報道に接した時に、直接審査に携わる分野の事件では報道記事を鵜呑みにすることは無く、自ら正しい思う判断をしているつもりでいる。しかし、食の不安を煽る報道の場合、ついつい鵜呑みにしがちな面がある。

この書は、メディアによる不安増幅のメカニズムはどのようなもので、どのように不安を増幅させているのか。メディアの記者たちは、どのような意識で記事を書いているのか。記者たちの思考法はどうなっているのかを著者なりの考えを提供している。( 著者は、現在、毎日新聞社生活家庭部編集委員。)

紹介される意見すべてに同意できるわけではないが、売れる記事としてどのように「危ない・・・」の記事が作られるかを知ることで、正確性に書ける煽りの記事に気づく効果は大きいと思う。

また、「え?本当なの?」と思わず叫びたくなるような「事実」も多数出てくる。

そうした意味で一読の価値があると思う。