シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ファミリーツリー

2012-05-30 | シネマ は行

アカデミー賞脚色賞を始めとして数々の賞に輝いた作品だったので、期待して行きました。

ハワイに住むマットキングジョージクルーニーは妻エリザベスパトリシアヘイスティが突然のボート事故で意識不明に陥り、10歳の次女スコッティアマラミラーを抱えて一人で右往左往していた。同じころ、先祖代々受け継いできたハワイの広大な土地をリゾート開発業者に売るかどうかで親族会議が行われる予定でその件にも頭を悩ませていた。

医者からエリザベスはもう意識が戻ることはなく、本人の事前の希望書によると生命維持装置は外さないといけないと告げられ、マットは離島の私立高に通う長女アレックスシャイリーンウッドリーを連れ戻してくる。

母の死を告げるとアレックスは当然悲しむが、なにか複雑な様子。マットが問い詰めると事故の前にした母娘喧嘩の真相をマットに話してくれる。アレックスは母の不倫現場を目撃し、それを追及したところ喧嘩になったというのだ。

妻が不倫をしていたとは夢にも思わなかったマット。この日から不倫相手を探し当てることに時間を費やすことになる。

アレックスが不倫相手の家を知っているのだから、それを教えてもらうのはいいとしても、一緒に探しに行ったり、一緒に会いに行ったりするのはものすごく不自然に感じた。17歳の娘にそんなことさせるなんてなー。いくらアレックスが申し出たこととは言え、ちょっと考えられない。そういうダメな奴を描くのがアレクサンダーペイン監督は好きなんですかね。それを人間くさいと見ると肯定的に受け入れられるんだと思うんですが。

ちょっとひねりの効いたヒューマンドラマっていうんですかね。この監督の得意とするカテゴリーなのかもしれません。

しかしまぁ、ジョージクルーニーのハワイの似合わないことったらないね。カメハメハ大王の末裔っていう設定だったけど。これはワタクシ個人のイメージの問題なんで仕方がない話なんですけどね。ハワイだって決して楽園なんかじゃないよっていうお話だからハワイっぽくない人でも全然いいんでしょう。

長女アレックスを演じたシャイリーンウッドリーがすごく美人ですらりと脚が長くて(これからまだ伸びるでしょう)演技もうまくて、こんな若手がどこにいたんだー???ってビックリしました。彼女はこの作品で助演女優賞を受賞したり、ノミネートされたりしているようですね。それも納得の魅力的な女優さんです。ぶっちゃけワタクシは彼女がいたからこの作品を楽しめた部分がかなりあったと思うなぁ。この魅力的な長女がいなかったら、それこそ悲劇的なレビューになっていたかも。

アレックスのボーイフレンドのシドニッククラウスの存在がキーとなる場面もあるんだけど、なんとなく生かしきれてないような気も。都合の良いベビーシッター(次女の)としても使われてたな。いまいちシドが好きになれなかったのは、こんな冴えないのがアレックスのボーイフレンドかよ!って思ってしまったせいかもしれません。

妻の不倫についてのゴタゴタはね、まぁ人によって収拾のつけ方は違うだろうし、そもそもこの旦那にも原因となるところはあったみたいだからまぁいいとしても、最後の土地に関する決断はハワイの人全体にしてみたら良かったのかもしれないけど、ぬか喜びさせられた親戚一同はたまったもんじゃないだろうねー。