シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

幸せへのキセキ

2012-05-28 | シネマ さ行

試写会に行きました。公開したら見に行こうと思っていた作品だったのでラッキーでした。

半年前に妻を亡くしたベンジャミンミーマットデイモンは仕事を辞め、母を失くして荒れている14歳の長男ディランコリンフォードと健気に頑張っている7歳の長女ロージーマギーエリザベスジョーンズを連れて新天地で一からやり直すことにする。ベンジャミンとロージーが気に入った田舎の家にはなんと閉鎖中の動物園がついており、ベンジャミンはそこに残っていたケリースカーレットヨハンソンを始めとするスタッフとともに動物園の再建を目指す。

これが実話というのだから世の中面白いことがあるもんだなぁと思いますよね。映画の中のエピソードはどの辺までが実話なのかは分かりませんが。

まぁぁぁとにかくロージーを演じたマギーエリザベスジョーンズちゃんが可愛いのなんのってねー。予告編で「ここは動物園付きです」と説明されて「イエーイ」と飛び跳ねるシーンの可愛いこと可愛いこと。もちろん、キャストとしてはマットデイモンやスカーレットヨハンソンはとっても魅力的だし、動物園の13歳のスタッフ・リリーとしてエルファニングを配すことで14歳のディランとの淡い恋も描いていたりして映画的にすごく充実している。役所から動物園の検査に来るフェリスを演じているジョンマイケルヒギンズもいい味出してるしね。

マットデイモンはいまではすっかりアクションスターというイメージを持っている人も多いんでしょうけど、ワタクシはやっぱり初めに出てきた「グッドウィルハンティング」のイメージで、この作品のように彼の持っている誠実な人柄が現れるような役がとても似合うと思う。スカーレットは今回はお色気は封印してたけど、やっぱりそこはかとなく漂う色気は消せないね。でも結構ケリーのような骨太タイプの女性も似合っている。

動物園運営に関してはまったくの素人のベンジャミンがスタッフと協力して、動物園の再会に奮闘する姿はとても素晴らしかったし、結末が分かっていても素直に応援してしまうストーリー。その部分には大いに満足です。唯一ワタクシが気に入らなかったのは14歳のディランとの確執の行方だった。ディランは母親が死んだことで荒れて前の学校を退学になり、動物園付きの家に引っ越してくるんだけど、反抗的なディランの態度を見てケリーが言った言葉は「甘すぎるんじゃないの?」だったし、それを受けてベンジャミンも「母親が死んでから甘やかしてしまう」なんて言ってたけど、誰もディランの悲しみには寄り添おうとせず、父親は自分のことで精いっぱいだし、7歳のロージーのほうばかり目が行っている。それは確かに仕方ないことだとは思うけど、もう少しディランの心のケアもしてあげても良かったのでは?と思った。最終的にディランとベンジャミンが分かり合うシーンでも、父親であるベンジャミンからは特にディランを気にかけている発言はなく、とにかくみんな大変なんだからお前は大人になれと言うばかり。翌日にディランが反省して歩み寄ってくるけど、なんか都合が良いなぁって感じ。あんな態度の父親に対してどうしてディランが反省しなくちゃいけないのか?って思ってしまった。

ベンジャミンがディランに良い事を言ってくれたのは、ディランが反省して歩み寄ったあとだったのがちょっと残念だったんだよなー。リリーへの恋心を相談したときに「たった20秒間だけ勇気を振り絞れば素晴らしいことが起きる」と教えてくれる場面。あれは良かったね。しかもその素敵なセリフが実はベンジャミンのすることに反対ばかりしていたベンジャミンのお兄さんトーマスヘイデンチャーチ(ミックジャガーに似た役者さん)が昔ベンジャミンに言ってくれたセリフだったと分かるところがまた感動的だった。

それにしてもなー、この「幸せへのキセキ」っていう邦題はなんとかならんですかね?「幸せ」とか「キセキ」(これは「奇跡」にも「軌跡」にもなるようにカタカナなのか?)とかもうお腹いっぱいって感じです。普通に原題の訳の「僕たちは動物園を買った」じゃダメですか?



「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」