シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ライアーゲーム~ザ・ファイナルステージ

2012-05-16 | シネマ ら行

ケーブルテレビでテレビシリーズの一挙放送があったので全部見てから映画を見ました。

これはテレビシリーズの最終回が映画になったというもので、映画という媒体として独立して成り立っているものではないので、普通の映画の感想とはちょっと毛色の違うものになると思います。映画だけ見ても面白いのかもしれないですが、やっぱりドラマからずっと見ていないと意味がないかと思います。最近なんかそういうパターンの多いね。

馬鹿正直な神崎直戸田恵梨香という女の子が巻き込まれたライアーゲームというわけの分からないゲーム。参加者は勝てば賞金1億円以上もらえるが負けると自動的に借金1億円を背負わされる。参加者同士が騙し合うこのゲームで馬鹿正直な直を天才的詐欺師秋山深一松田翔太が助けてくれる。

このゲームは参加者がお互いウソをつきあって騙し合うものだが、実は参加者たちがお互いを完全に信じ合うことができれば、全員が勝ち抜くことができるもので直は常に他の参加者を説得しようとするが、やはり多くの人が自分だけが得をしようと抜け駆けしようとする。それを秋山が天才的な頭脳でさらに他の人を出し抜いて直の希望をかなえてやる。というのがこのゲームのパターン。この映画の「エデンの園ゲーム」(ライアーゲーム決勝戦)でもそのパターンが繰り広げられる。

だいたい、ライアーゲームを決勝戦まで勝ち抜いてきた強者ばかりなのだから、もうちょっと秋山に匹敵するような参加者がいてもいいと思うのだが、ここで彼に匹敵すると言えるのは武田ユキナ関めぐみと仙道アラタ田辺誠一くらい。あとはよくもまぁこのゲームを勝ち抜いてきたねぇと言うような雑魚ばかりだ。ま、ま、ま、でもね、ドラマをここまでずっと見てきた人にとってはやっぱり秋山の活躍を見たいし、直がどんなふうに参加者の気持ちを変えていくのかが見たい。あ、あときのこ(福永ユウジ)鈴木浩介がまたどんなウソをついてくるのかっていうのとね。

このお話は原作が漫画ということなんだけど、ひとつひとつのゲームがとてもよくできていて感心する。頭の良い人には簡単にからくりが分かるのかもしれないけど、ワタクシなんかは話の中で展開される説明を見て「はー、ほー、なるほどー、そうなんかー」と口をポカーンと開けて感心するばかり。というか、説明を聞いても分からんゲームもあったくらい…このお話のいいところはきちんとひとつひとつのゲームが成り立っていて、それに必勝法があって、またそれを覆す攻略法があって、、、というのをちゃんと観客に自然な形で説明してくれるというところだ。決勝戦の「エデンの園ゲーム」も、たったひとつのゲームで2時間引っ張れるだけの面白さがあった。残念ながらきのこは前半しか活躍しないけど。

シリーズを通して直と秋山の関係にもすこしずつ変化があって、それもきちんと映画で表現されていたので満足でした。直の言っていることを支持するのはナイーヴ過ぎるのかもしれませんが、やっぱり彼女の言う事は心に響く。きれいごとでもいいから信じてみたい気になってしまう。だからこそ、ヨコヤノリヒコ鈴木一真も最後に直たちに賞金を託してくれたのだろう。

こういう非現実的な作品では、多少オーバーな演技も要求されると思うので、その加減が難しいところかなと思うのだけど、みんないい感じで演じていると思う。秋山の「残念だったな~」とか「お前の負けだー」とか言うセリフ回しがやたらと頭に残って口調をマネするのがうちで流行っていたりする。(公開時から考えると随分時間差だけど…)

シリーズを通して音楽を担当しているのが中田ヤスタカなんですよね。Perfumeファンとしてはちょっと嬉しかったです。

原作の漫画ってまだ続いているんですね。終わっていたら読みたいと思ったんですが。ちゃんと完結したら読もうかなぁ。

オマケドラマを見ているときにセリフのてにおはがおかしかったり、文章の主語と述語のねじれが気になりました。脚本を書く人はちょっと気をつけてほしいです。



「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」