シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

キサラギ

2011-05-23 | シネマ か行

これ完全に密室劇なので舞台が先かと思っていたら映画が先でその後の舞台化だったんですね。

売れないグラビアアイドル如月ミキ酒井香奈子が自殺して1周忌に集まったファンサイトの5人。彼らの中の一人が如月ミキは自殺じゃなくて殺されたのだと言い始めたところから騒動が始まる。

5人はそれぞれネットで知り合っているのでハンドルネームで呼び合っています。
家元:小栗旬
オダ・ユージ:ユースケサンタマリア
スネーク:小出恵介
安男:塚地武雅
いちご娘:香川照之
という具合。

このオダ・ユージがミキは殺されたのだと言い出すわけだけど、最初はいちご娘を疑っていて、そこから意外な全員の素性がバレていく過程が非常に面白い。強いて言えば、スネークがちゃちゃ入れ過ぎてちょっとうっとおしいけど。

こういう類の密室劇は、演技がまずしっかりしていて、セリフのテンポが良くて、筋書が面白くてグイグイ引っ張られる感じで見ているこっちもつい前のめりになるようなものじゃないと面白くないのだけど、その点この作品はそれをすべてクリアしていると言えるだろう。最初は少しテンポが悪いようにも思えるけど、尻上がりに良くなっていく。

全員の素性が分かって、実はただのいちファンに過ぎなかったのはキミちゃんのことなら自分の右に出るものはいないという理由から「家元」と名乗っていた主催者だったというのが分かるシーンでは、あまりにも家元が憐れで心が痛んだのだけど、この事件の真相が明らかになっていくにつれて、実は彼こそがもっともミキちゃんの心の支えとなっていたのだとなるくだりはなかなかうまくできているなぁと感心してしまった。

ただエンドロールでミキちゃんの歌に合わせてオタクたちが踊るシーンは良かったけど、“如月ミキ”という存在はみんなの回想の中のぼやけた存在であったほうが良かったように思う。あそこでミキちゃんの歌う姿は逆にないほうが良かったんじゃないかなぁと。あと、次の年にまたみんなが集まって新たに問題提起をする人物宍戸錠が現れるシーンも、物語の中で十分二転三転しているだけに、「もうええわ」という気分になってしまった。

というわけで、エンドロール以降はちょっとイマイチだったけど、それまでは十分に面白い作品でした。


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