シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

やかまし村の子どもたち

2006-04-24 | シネマ や行
この作品の原作者、アストリッドリンドグレーンの作品は以前にも「ラスムスくんの幸せを探して」を取り上げたのですが、「ロッタちゃん」シリーズもとても好きでこれはまだ取り上げていないけれど、いつかきちんと見直して取り上げたいと思っています。リンドグレーンの作品はこの「やかまし村」を見たのが初めてでした。彼女の作品すべてに共通することだけど、本当に子供たちの描写が素晴らしい。ワタクシたちが普段忘れている「あ~、こどもってそうよなー」っていう場面がたくさん出てくるのです。

この作品は、3軒しかない「やかまし村」の子供たちの夏休みの風景を小さなエピソードを集めて見せるもので、特に起承転結があるわけではなく、子供たちの自然なやりとりとかを楽しんでいただければいいかと思います。

子供たちが書いたんじゃないかと思うほど、小学校低学年の男の子3人、女の子3人の兄弟姉妹、幼馴染みたち(プラスまだ2,3歳のおチビちゃん)が繰り広げる世界がリアルに描かれていきます。

お母さんにおつかいを頼まれたけど、帰り道に買い忘れを思い出して、何度も何度もお店に帰っていったり、(そのとき、戻るたびにお菓子をくれるおじさんへのお礼に、これはスウェーデンの習慣なんだろうけど、ヒザをちょこっと曲げてお礼を言う姿がとってもキュート)最後にはもう買い忘れを思い出さないように(!)走って帰ろうとか言ってダッシュで帰ったりだとか。

男の子対女の子でイタズラ合戦とかによくなって、お互いに「あいつらはバカだから」なんて言いながらも、3対3で結婚すればみんな仲良くやかまし村に住み続けることができるって実は信じていたりするところとか誰もが「あ~こんな時期があったなぁ」なんて思い出して心があったかーくなるんじゃないかなー?

最後に新学期が始まって6人が学校に行くとき、「私も行くーーーーっ!」と泣いてお母さんに抱き上げられる一番下のおチビちゃんのギャーーーーという悲鳴で幕を閉じる本当にどこにでもあるようなほのぼのした風景をスウェーデンの田舎の風景とともにお送りする作品です。