マフィアの第二世代の苦悩というと、まずは「ゴッドファーザー」でアルパチーノが演じたマイケルコルレオーネを思い出す人が多いだろう。この作品はあそこまでシリアスにではないが、現代のマフィアの第二世代の苦悩を描いている。マフィアのNo.2デニスホッパーを父に持つマッティーバリーペッパーは堅気の世界で生きようと、どこの会社に面接に行っても父の素性がバレた途端断られてしまう。そこで、父の右腕テディジョンマルコヴィッチに頼み組織の大きな仕事を任せてもらう。父は息子をバカにして大切な仕事を任せてくれないが、テディは父に口を利いてくれた。
大ボスから借りる金を父の元へ届ける手配をすることになったマッティー。他の二世代たちと一緒に仕事をすることになった。だが、運び屋のジョニーセスグリーンがしくじって金の入ったカバンが盗まれる。こいつがまたどん臭くて腹が立つっ
そのカバンを見つけたのはオバカな高校生の二人組。大金の入ったカバンを見つけ、ヤバいなんてちっとも考えずにおおはしゃぎ。盛大に好きなものを買いまくる。しかし、そのうちの一人が警官の息子で金は警官の手に渡ってしまう…
この辺りまではオバカな高校生が金を使いまくり、この警官が悪徳野郎で金をくすね、そしてそれを必死で取り返そうとするマフィアの第二世代の4人がいる、という、んっ?これは何?コメディなのか?という展開を見せるんだけど、後半に向かうにつれてどうもコメディってワケじゃないらしいという雰囲気が漂ってくる。製作側は大真面目みたいだ。
真剣に父に認めてもらいたくて奔走するマッティーを演じるバリーペッパーがスラリとした若いマフィアで堂々としていてなかなかにカッコよく、その右腕を演じる同じく第二世代(でも、母親がユダヤ人だからマフィア界では出世できないと言っている)ヴィンディーゼルの抑えた乱暴者がいい感じだった。彼は街で500回喧嘩をしたという乱暴者だが、静かにインテリジェンスと優しさも光らせてスマートな相棒ぶりを見せていた。
92分とあっという間に終わってしまい、最後の展開はあっけないがクドクド語られるよりこのほうがすっきりしていて良かったかもしれない。もの凄くいい作品というわけではないが、地味目に面白い作品である。
オマケバリーペッパーよりもヴィンディーゼルのほうが名前が売れているので、DVDのパッケージなどもヴィンディーゼルがメインの作品のように扱われているけど、実際にはバリーペッパーがメインなのでファンの方はご注意をでも、出番は少なくてもヴィンディーゼルの役はカッコよかったですよー。