電脳筆写『 心超臨界 』

貧困は人格をつくる教師である
( アンティファネス )

自分のための人生 《 原因はかならず自分の内側に……——ウエイン・W・ダイアー 》

2024-10-09 | 03-自己・信念・努力
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このように自分の考え方が外から指図を受けている例をあげるなら、最近、私のところへやってきた患者の場合がぴったりである。この患者をバーバラと呼ぶことにしよう。彼女の一番不満な点は肥満だったが、他にも小さな不幸がたくさんあった。バーバラの体重について話し合いを始めたとき、彼女は言った。「自分がいつも太りすぎだったのは、代謝に問題があった。子供のころ、母親に無理やり食べさせられたからだ」と。


『自分のための人生』〈原題:Your Erroneous Zone(錯信帯)〉
( ウエイン・W・ダイアー/渡部昇一・訳、三笠書房 (2011/7/21)、p207 )

  人間は、自分が心がけたとおりになるものである。
  あごを引いて頭をまっすぐに立てよう。

7章 状況打開の柔軟思想
2 責任を正面から受け止める

◆原因はかならず自分の内側に……

このように自分の考え方が外から指図を受けている例をあげるなら、最近、私のところへやってきた患者の場合がぴったりである。この患者をバーバラと呼ぶことにしよう。彼女の一番不満な点は肥満だったが、他にも小さな不幸がたくさんあった。バーバラの体重について話し合いを始めたとき、彼女は言った。「自分がいつも太りすぎだったのは、代謝に問題があった。子供のころ、母親に無理やり食べさせられたからだ」と。

過食の傾向は今でも続いているが、それは夫がかまってくれないし、子供は子供で思いやりがないせいだと言う。うらめしそうに、とにかくありとあらゆることを試してみたのにと言う。

たとえば、さまざまな食餌療法の指導、減量サロン、錠剤、あげくのはては占星術まで試したのだ。そして心理療法を最後の頼みの綱としたのである。もし先生に私の体重を減らすことができないのなら誰にもできやしません、バーバラは言うのだった。

身の上話をして、自分のジレンマをよく考えてみると、余分な体重を減らせないのも不思議はなかった。ものも人もみな共謀して自分をおとしいれようとしている――母親、夫、子供たち、そのうえ自分自身の身体や運勢までも!

これほど重症でなければ、減量療法や食餌療法がきくかもしれないが、バーバラの場合は、不利な条件が多すぎたのである。

バーバラは自分にとって外的なものを中心に考える、典型的な例であった。自分が太っているのは母親、夫、子供たち、そして自分の身体の思いどおりにならない部分のせいなのだった。ある時間にある食べ物を食べる。はっきり言えば食べすぎる――そういう自分の意志とは何の関係もないことだった。そのうえ、自分の立場を楽にしようとする試みも、問題そのものの捉え方と同じく、外から支配されている状態だった。

それまで過食をしてきたのは自分自身の責任であり、今後、体重を減らしたいなら、今までとは違った選択をしていかなければならないという点に気がついていないで、バーバラは自分以外の人やもの――世間によくある減量法に頼ってきた。友だちがみんな減量サロンへ行けば、自分も行った。誰かが食餌療法の新しい先生を見つけてくれば、そのたびに、バーバラもすがるような思いでついていたのである。

数週間にわたるカウンセリングでバーバラは、自分の不満や不平は他ならぬ自分が蒔いた種であって、他人の行為のせいではないことに気づき始めた。

彼女は先ず、自分は要するに食べすぎる、それもたいていは本当に食べたいと思う以上に食べすぎる、そして充分に運動をしないという点を認めた。

バーバラがまず決心したのは自分の食習慣を、完璧な自己修練によって変えるということだった。彼女は自分の意志を操ることができたし、またそうしようとしていた。今度空腹感を覚えたら、クッキーをつまむ代わりに、自分の精神力を思いおこそうと決心したのである。

彼女は、自分をもっと大事にしてくれなかったとか、無理に食べるようにしむけたとか言って、夫や子供たちを責めるのをやめた。その代わりに、自分は何年間もわざと悩んでみせて人の気を引こうとし、実質的には、さあどうぞ私をこき使ってくださいと言っているようなものだったと考えるようになった。

ところが、バーバラが自分をもっと大事にしてほしいとはっきり要求してみると、家族はすぐに快く、そのとおりにしてくれるものだとわかったのである。そうして食べ物に慰めを求める代わりに、家族同士の尊敬と愛に結ばれた関係に満足を見出したのだ。

バーバラは母親とあまり一緒に過ごさないようにしようとまで考えた。母親に自分の人生が管理されていて、必要以上に食べ物が与えられ、自分の人生がだいなしにされると考えるようになってきたのだった。

母親は自分を支配してなんかいない、母親にこいと言われたから会いに行くのではなく、行きたいときに行って会えばいい、母親がチョコレートケーキを食べなさいと言うからといって食べなくてもいい――こういうことに思い当たってみると、母親と一緒に過ごす時間が楽しくなり、うとましいと思わなくなった。

そしてついにバーバラは、心理療法は自分の外的な要素とは何の関係もないことに気がついた。私はバーバラを変えることはできない。バーバラはみずから変わらなくてはならなかったのだ。時間はかかったが、徐々に努力を重ねて、バーバラは外から与えられた「なすべきこと」を捨て、代わりに自分の心の規範を得たのである。

現在の彼女はスマートになっただけでなく、幸せでもある。そして自分が幸せなのは夫や子供たちのせいでも、母親のせいでも、運勢のせいでもない。自分自身のせいなのだということを知っている。バーバラは自分の心を自分で支配しているからである。
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