電脳筆写『 心超臨界 』

影は光があるおかげで生まれる
( ジョン・ゲイ )

不都合な真実 《 8月革命説――倉山満 》

2024-08-04 | 04-歴史・文化・社会
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宮澤の師匠の美濃部(達吉)先生は、「革命とでも呼ぶしかない悲惨な事態が起きた」という立場の8月革命説でした。ところが宮澤は同じ「革命」の語を使いながら、「革命のような素晴らしい事態が起きた」と意味を180度転回したのです。やっていることはナチスと同じだと自覚しながら。日本国憲法がなぜ日本の最高法なのか。「8月革命説」は、それを積極的に説明できる唯一の説だとして通説になったのですが、だとすると日本国憲法の下の日本国は「ナチスに支配されたドイツのように素晴らしい国だ」という意味になります。


◆8月革命説

『東大法学部という洗脳』
( 倉山満、ビジネス社 (2019/5/24)、p3 )

本書は、ホラーです。本書を読み進めていくうちに、日本国に込められた呪(のろ)いの恐ろしさに気づくでしょう。今も我々は呪いにかかっているのです。宮澤俊義がかけた呪いに。

生前の宮澤俊義は、東京大学法学部教授として憲法学を教えていました。東大憲法学と呼ばれる、今の日本国憲法の解釈の骨格をつくりました。今は、宮澤の弟子の芦部信義(あしべのぶよし)、孫弟子の高橋和之の教科書が日本で最も使われている憲法学の教科書です。

これが何を意味するか? 何か関係があるのか?

日本人である限り、宮澤の呪いから逃れられないということです。

( 中略 → p217 )

宮澤は戦後もナチス・ドイツ時代に言及して、「ヒトラーが完全な独裁政治を行なうようになっても、ヴァイマール憲法が廃止されたわけではない。紙の上にはまだあるのですが、満身創痍、実は死んでしまったも同然です」(「たたかう民主主義者」、『潮』1970年8月号)という言い方をしています。憲法が存在しようがしまいが、憲法が生きているかどうかは別の問題だという憲法観は、戦後も一貫しているのです。

宮澤からしたら、ヴァイマール憲法がヒトラーの国民改革によって殺されたように、帝国憲法もGHQに殺された以上、それは「革命」なのです。

何がすごいって、それをわかっていて、「革命のような素晴らしい状態が起きた」とプロパガンダしていることです。この場合のプロパガンダは、宣伝というより、「宣教」と訳した方がいいかもしれません。

宮澤の師匠の美濃部(達吉)先生は、「革命とでも呼ぶしかない悲惨な事態が起きた」という立場の8月革命説でした。ところが宮澤は同じ「革命」の語を使いながら、「革命のような素晴らしい事態が起きた」と意味を180度転回したのです。やっていることはナチスと同じだと自覚しながら。

日本国憲法がなぜ日本の最高法なのか。「8月革命説」は、それを積極的に説明できる唯一の説だとして通説になったのですが、だとすると日本国憲法の下の日本国は「ナチスに支配されたドイツのように素晴らしい国だ」という意味になります。

護憲派は宮澤説の上に憲法学を打ち立て、改憲派は邪悪な土台を攻めずに空虚な楼閣だけを批判していたことになります。見事に、宮澤におちょくられたということです。

改憲派が「なぜ日本国憲法を我が国の最高の法として認めねばならないのか」と批判する根拠に、GHQから押し付けられたからという「押し付け憲法論」があります。

これに対する宮澤の回答が、またまた人をおちょくっています。

宮澤は「日本国憲法おしつけ論について」(『ジュリスト』528号)という小論の中で、「GHQが天皇のパーソンを盾に脅迫した」という点について、あっさり事実だと認めています。当事者の発言なので、それで事実関係に争いが生じようがありません。さらに護憲派にトドメを刺すがごとく、そもそも当時の日米が対等ではなかったとし、「日米合作説」も否定しています。それでいて、「押し付けられた憲法が歓迎すべき内容を含んでいないとは限らない」と話をそらして終わらせます。

宮澤の特徴は、事実関係をわかっていることです。それでいて攻撃をかわすのみならず他人を洗脳するのですから、超一流の詐欺師です。いわば、1億人を支配できた麻原彰晃のようなものです。
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