電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが他人を責めるとき
あなたは成長し変化する自分の力を放棄したことになる
( ロバート・アンソニー )

不都合な真実 《 ネット書店規制――藤原正彦 》

2024-05-18 | 05-真相・背景・経緯
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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ネットによる寡占を許すと、必ず寡占してからの大幅値上げが始まります。アマゾンも本屋を潰し、取次を潰してから、市場占拠後にエルゼビアと同じ手を使うことが危惧されます。本の価値をつり上げるばかりでなく、出版社の価格決定権や編集権まで握りアマゾンの気にくわない本は売らないなど、思想統制につながりかねません。


◆ネット書店規制――藤原正彦

『本屋を守れ』
( 藤原正彦、PHP研究所 (2020/3/13)、p76 )

――藤原先生のインタビュー「読書こそ国防である」には、読者から大きな反響がありました。町の本屋こそ文化の拠点であり、インターネットで情報は得られても知識や教養は絶対に育たない、とのご意見に「よくぞおっしゃってくれた」と。

【藤原】 私の提言は、インターネットでの書籍流通に規制を加えて街の書店を救わなければならない、というもの。すでにフランスでは2014年、小さな書店を守るため、ネット書籍販売で値引きした本の無料配送を禁じる法律を議会で可決しています。同国のフィリペティ文化・通信相は「わが国がもつ本に対する深い愛着を示した」と語り、フランス書店業組合は「アマゾンのやり方は市場獲得を目的とした不当廉売である」と述べました。

ヨーロッパではいま、反ネット書店の革命の気運が高まっています。たとえばオランダにエルゼビアという数学や医学、科学技術の専門出版店があります。エルゼビアは学術雑誌を次々と買収し、それらの雑誌をオンライン(電子)化して値段を下げ、ライバルの出版社を潰してから購読料をつり上げる、という暴挙を繰り返していました。

私はそのころ、お茶の水女子大学で図書館長をしていましたが、学術雑誌の値段が高すぎて購入できなくなり、次々に購入中止に追い込まれ、最後は研究者個人が他の大きな大学に論文をコピーして送ってもらう、ということにまでなりました。ケンブリッジ大学でさえ雑誌代が年間3憶円にもなり、困り果てていました。

ついにケンブリッジ大学のフィールド賞受賞者、ガワーズ教授を中心に数学者たちが立ち上がり、エルゼビアの出版する雑誌にはいっさい執筆せず、編集委員にもならず、論文の査読もしない、というボイコット活動を始めました。世界中で1万人以上の数学者がそれに賛同したので、エルゼビアもついに降参し、値段を下げました。いまもエルゼビアの雑誌購読サイトの高価な料金に対する反論はあり、2019年には、エルゼビアは科学の発展を阻害している、との理由で大口顧客のカリフォルニア大学が契約を完全に打ち切ってしまいました。

ネットによる寡占を許すと、必ず寡占してからの大幅値上げが始まります。アマゾンも本屋を潰し、取次を潰してから、市場占拠後にエルゼビアと同じ手を使うことが危惧されます。本の価値をつり上げるばかりでなく、出版社の価格決定権や編集権まで握りアマゾンの気にくわない本は売らないなど、思想統制につながりかねません。

世界最大級のエルゼビアに対する数学者そして科学者の果敢な戦いは、「学界の春」とも呼ばれます。口火を切ったガワーズはイートン校・ケンブリッジ大学というエリート中のエリートですが、ケンブリッジ大学にいたころに話したことがあります。博士号を取ったばかりの若いガワーズに、これから数学研究者としてやっていくうえでの諸注意を与え、「まあ、頑張りたまえ」と励ましました。この十年後に彼がフィールズ賞を取った報に接したときは、恥ずかしさで気絶しそうでした。天才と知らずに、ヘッポコの私が偉そうな顔をして励ましていたのです。人を励まして後悔したのは、人生でこれだけです。

革命というのは、エリートや指導者が立ち上がらないかぎり実現しません。フランス革命もそういった人びとにより指導されました。ロシア革命は農民による反乱だと思われていますが、主導者のレーニンは貴族階級で(物理学者の父が1882年、皇帝より貴族の地位を得る)、トロツキーは豪農の息子でした。日本でも知識人や各層のトップが立ち上がり、国会議員を巻き込んでスマホ規制やネット書店規制の運動を立ち上げるべきでしょう。
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