電脳筆写『 心超臨界 』

つぎの目標を設定したり新しい夢を描くのに
年を取りすぎていることなどけっしてない
( C・S・ルイス )

かけがえのない家族 《 きらめく夢——吉田都 》

2024-07-30 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  世の中でいちばん大切なものは家族と愛
  ( ジョン・ウッドン )
  The most important thing in the world is family and love.
  ( John Wooden )


◆きらめく夢

バレリーナ・吉田都
[2] 発表会の思い出――少女の夢 支えてくれた家族
(「こころの玉手箱」08.02.26日経新聞(夕刊))

バレエと出会ったのは幼稚園のとき。国立(くにたち)音楽大学付属幼稚園のお友だちの発表会を見たのが初めてだった。

音楽も振り付けも衣装も、もう覚えていないが、舞台がキラキラとまぶしくて、踊っている女の子はおとぎ話の妖精みたいだった。今でも目をつぶると、舞台のきらめきが夢のようによみがえってくる。

感激に酔ったまま家にかえるなり、母に「踊りたい!」とせがんだ。そのうち言わなくなるだろうとの母の予想に反して、私の願望は膨らむばかり。結局、小学校に入るとすぐに音楽に合わせて体を動かすお遊戯教室に通い始めた。

うれしくて、たのしくて、夢中だった。練習着は白いレオタードに大きめのスカート。母が丁寧にアイロンをかけてくれるので、襞(ひだ)がピンと水平に張って、すてきだった。

九歳で国立バレエスタジオに入り、クラシックバレエを始めた。待望のトウシューズを履けるようになると、レッスンは格段に厳しくなったが、スキップしながらスタジオに行った。

中学の健康診断で不整脈の疑いがあると言われ、レッスンの途中で呼吸ができなくなることもしばしば。でも、何かに憑(つ)かれたように踊り続けた。

父は地方公務員、母は専業主婦、二歳上の姉がいる。お金持ちではない、普通の家庭だ。1足4、5千円もするトウシューズは猛練習ですぐに傷む。「買ってもいい?と聞かないで、何足必要なので、いくらくださいと言いなさい」。遠慮がちな私の気持ちを察して、父も母もそう言った。

発表会やコンクールでは衣装などにお金がかかるし、海外のバレエ団の日本公演のチケットはすごく高い。家計はきっと火の車だったろう。疲れ果ててレッスンから帰ると、母が足をもんでくれた。私にかかりきりの両親を見て姉は寂しくなかったのかなと思う。

父は今も私が舞台に立つ日はうまく踊れるよう祈ってくれる。母はいつも客席の隅で目立たないように見ている。姉も応援してくれる。少女の魂を激しく揺さぶったバレエへの憧(あこが)れを実らせてくれたのは家族だった。
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