電脳筆写『 心超臨界 』

自分がいま生きている時代は
歴史としてながめることはできない
( ジョン・W・ガードナー )

常にホットな分野に身を置きたい――審良静男

2024-06-23 | 05-真相・背景・経緯
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すべての動物は、自分を攻撃する細菌やウイルスを退治する免疫機構をもっています。審良静男さんは、感染の初期に病原体を処理する「自然免疫」の機能を次々に解明しました。侵入者を最初にキャッチするのは、細胞膜にあるToll-Like Receptor (TLR)というセンサー。Toll-Like Receptorとは、「合図の鐘(toll)を鳴らす感覚器官」という意味。微生物を感知することにより、侵入する病原菌に対し、初期の免疫応答を引き起こす重要な役割を担っています。審良さんらは、遺伝子を壊してTLRの機能を失わせた「ノックアウトマウス」をいち早く作り、ほとんどのTLRについてそれぞれ認識する対象を明らかにしました。


◆常にホットな分野に身を置きたい

「外敵防ぐ仕組み次々解明――免疫学者・審良静男さん」
( 2006.01.01 朝日新聞 朝日賞受賞者 )

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審良静男(あきら・しずお)
58年、大阪府生まれ。77年、大阪大医学部卒。市立堺病院に
勤務後、80年に阪大大学医学研究科に入り、免疫学研究に。
米カリフォルニア大バークリー校、阪大細胞工学センターを経て
96年、兵庫医科大教授。99年、阪大微生物病研究所教授。
02年から科学技術振興機構の自然免疫プロジェクト総括を兼任。
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すべての動物は、自分を攻撃する細菌やウイルスを退治する免疫機構をもっている。審良さんは、感染の初期に病原体を処理する「自然免疫」の機能を次々に解明した。ここ数年の免疫学の論文引用ランキングは世界トップクラスだ。

侵入者を最初にキャッチするのは、細胞膜にある「TLR」というセンサー。97年以降、十数種類が見つかっている。

それぞれのTLRがどんな病原体を認識するのか。審良さんらは、遺伝子を壊してTLRの機能を失わせた「ノックアウトマウス」をいち早く作り、ほとんどのTLRについて認識する対象を明らかにしてきた。

苦い経験がある。世界で初めて機能がわかった「TLR4」について、米国の研究者に先を越されたのだ。審良さんもこの時、同じデータを手にしていたが、詳しく調べているうちに成果をさらわれてしまった。

「研究はオール・オア・ナッシング。ほんのちょっとでも早く出さなければ意味がない」。ここから巻き返しが始まった。

96年、出身の大阪大から「外」に出された格好で兵庫医科大の教授となったが、これがツキを呼んだ。ちょうどノックアウトマウスを作る施設が同大にでき、研究費もついた。「おもしろそうな技術だ」と片っ端から遺伝子を壊していったら偶然、細菌に全く抵抗性のないマウスができた。TLRに直結するたんぱく質の遺伝子を引き当てたのだった。

「勝利の女神は謙虚を好む」。

米長邦雄・永世棋聖の本で読んだ言葉を思い出した。「研究も全く同じだと思った」

「研究が気になる」と、長く研究室をあけることはあまりない。国際学会にも招待されない限り行かない。「いい気になって遊ぶと運がなくなる」と自分に言い聞かせる。

自然免疫は今や、生命科学で最も注目される分野のひとつになった。TLRを標的にした創薬が進み、アレルギーや感染症などの治療に対する新しいアプローチとして注目を集めている。TLRが、病原体を記憶して再侵入に備える「獲得免疫」の活性化に働くことも明らかになってきた。

「常にホットな分野に身を置きたい」。興味はすでに別のセンサー探しに向いている。
(久保佳子)
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