電脳筆写『 心超臨界 』

何もかもが逆境に思えるとき思い出すがいい
飛行機は順風ではなく逆風に向かって離陸することを
ヘンリー・フォード

人生の幕をどう引くか――五木寛之

2024-02-20 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
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ヒマラヤやエベレストを征服した欧米の登山家たちは、山頂に国旗を立てて写真をとる。山は人間によって征服されるべき敵対的な自然だった。アンチ・がん、アンチ・未開、アンチ・貧困、などなど、「アンチ」は常に攻撃的である。しかし老化は敵ではない。「ナチュラル・エイジング」こそ私たちの求めるものなのではあるまいか。死、もまたそうである。「ナチュラル・エンド」こそ、人間の最高の夢だろう。私はそう思う。


◆人生の幕をどう引くか

『選ぶ力』
( 五木寛之、文藝春秋 (2012/11/1)、p220 )

左脚のマッサージをしながら、テレビのニュースを見る。

ここ2、3年、ずっと左の股関節から太股にかけて痛みがとれない。足を引きずって歩くのもみっともないので、無理して普通に歩いているのだ。

痛みの位置が日によって移動することや、雨の日に強く症状がでるところが面白い。糖尿病からくるくる脚の異変だと問題だが、それともちがう。リウマチか神経痛のたぐいかもしれない。いちばんあてはまるのは、老化による症状で、いわゆる腰下肢痛(ようかしつう)というやつか。

人間の歯の耐用期限が50年だとすれば、体のどの部分にしても同じようなものだろう。あとはだましだまし使うしかないのだ。満80歳ということを考えると、なんの不思議もない。

アンチ・エイジングという言葉に対して、いまひとつ共感できないのは、そこである。エイジング(老化)は自然のありようではないのか。その過程を少しでもおくらせ、気持ちよく日々を過ごすのは万人の望みである。

世の中には、その年齢の実際以上に心身のおとろえが進んでいる人びとがいる。それを自然なプロセスにもどし、さらに知恵と工夫によって老化をおくらせる。それは望ましいことだ。私もそうありたいと思う。

しかし、そこに「アンチ」という表現をもちだすのはどうだろう。

欧米のキリスト教文化の上に花開いた近代科学と思想は、基本的に「アンチ」である。「エベレスト征服」などという言い方にも、それが如実に反映している。

礼拝をくり返しながらチョモランマを巡るアジアの人びとにとっては、山は聖なる存在だった。日本でも登山は、ほとんど僧侶によって始められている。かつての富士登山も、六根清浄(ろっこんしょうじょう)をとなえつつ、神聖な行のかたちをとった。

ヒマラヤやエベレストを征服した欧米の登山家たちは、山頂に国旗を立てて写真をとる。山は人間によって征服されるべき敵対的な自然だった。

アンチ・がん、アンチ・未開、アンチ・貧困、などなど、「アンチ」は常に攻撃的である。しかし老化は敵ではない。「ナチュラル・エイジング」こそ私たちの求めるものなのではあるまいか。

死、もまたそうである。「ナチュラル・エンド」こそ、人間の最高の夢だろう。私はそう思う。
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