電脳筆写『 心超臨界 』

幸せは外部の条件によって左右されるものではない
自分の心の持ちようによって決まるのである
( デール・カーネギー )

価格競争は「囚人のジレンマ」――松井彰彦

2024-06-25 | 08-経済・企業・リーダーシップ
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二人の共犯者AとBが留置所で取調べをうけているとしよう。二人とも黙秘を押し通せば証拠が乏しいため、別の微罪による立件となる。二人とも自白する気はなかったが、さすがの警察は各人に切り出す。「お前が自白すれば、あいつを主犯にして、お前はそそのかされたことにしてやる。ま、基本的に無罪放免だ」


◆囚人のジレンマ

「やさしい経済学」――競争促進と戦略 2
東京大学教授 松井彰彦
( 2002.07.08 日経新聞(朝刊))

価格競争はしばしば「囚人のジレンマ」というゲームになぞらえられる。

二人の共犯者AとBが留置所で取調べをうけているとしよう。二人とも黙秘を押し通せば証拠が乏しいため、別の微罪による立件となる。二人とも自白する気はなかったが、さすがの警察は各人に切り出す。「お前が自白すれば、あいつを主犯にして、お前はそそのかされたことにしてやる。ま、基本的に無罪放免だ」

それを聞いてAは考える。「おれが自白すれば、自由の身だ。黙っていりゃあ1年間ムショ暮らしか。いや、待てよ。警察がおれだけにうまい話を持ちかけるはずはない。やつがしゃべればおれは10年。やつは無罪放免か。うー、それは勘弁ならねぇ」

そのころBも「あいつがどう出ようが、こっちはしゃべった方が得だな」。そして翌日。二人は異口同音に自白する。「すんませんでした。主犯はあいつです」

この状況をゲーム理論の表現形式で表してみよう。①だれがゲームの当事者(これをプレーヤーと呼ぶ)か ②各プレーヤーはどのような選択肢(戦略と呼ぶ)を持っているか ③各人の戦略に応じてそれぞれどのような満足度(利得と呼ぶ)を得るか――という3点を記述することでゲームが完成する。表で囚人のジレンマをゲームの形に示した。そこで各行左の数字がA,右の数字がBの利得を表す。

囚人のジレンマ
(Aの行動―黙秘)x(Bの行動―黙秘)= -1、-1
(Aの行動―黙秘)x(Bの行動―自白)= -10、0
(Aの行動―自白)x(Bの行動―黙秘)= 0、-10
(Aの行動―自白)x(Bの行動―自白)= -5、-5
(注)数字は懲役の年数に負号(-)を付けたもの。
   各行左側がAの年数、右側がBの年数。

価格競争は、ゲームとしては囚人のジレンマと同じ構造をもっている。企業AとBがともに高価格をつければ、両者が低価格をつけたときよりも高い利潤が得られる。しかし、相手の行動は自分では決められない。このとき、相手がどんな手をとってこようと、自分は低価格をとったほうが利得が高くなる。相手が高価格をつけているときには、価格を引き下げることで多くのシェアを得られるからだ。

囚人のジレンマで結果的に満足するのは警察側だったように、価格競争で得をするのは消費者である。しかし、場合によっては利己的な二人が協力することもあり得る。
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