電脳筆写『 心超臨界 』

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( エドマンド・バーク )

悪魔の思想 《 久野収――久野収流、北方領土問題解決法とは/谷沢永一 》

2024-05-07 | 04-歴史・文化・社会
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火事場泥棒、略して火事泥とは、火事場のような混乱につけこんで利益を占める人を意味します。普通の常識からすれば、共産主義ソ連が北方四島を奪った手口こそ、文字どおりの火事泥なんですが、久野収の眼光に照らすとき、ソ連の遣(や)り口はけっして火事泥ではないのです。むしろ正々堂々と占拠したなあと、その人目をはばからぬ強奪ぶりに、心中では感嘆しているのかもしれません。よく遣った、と言わんばかりの気配ですものね。その逆に、北方領土を返してもらおうなんていう要求こそ、それこそ火事泥式だと久野収は罵ります。


『悪魔の思想』 「進歩的文化人」という名の国賊12人
( 谷沢永一、クレスト社 (1996/02)、p180 )
「進歩的インテリ」を自称する道化・久野収(くのおさむ)への告発状
第7章 恫喝が得意な権力意識の化身

  久野収(くのおさむ)
  明治43年生まれ。京都帝大卒。治安維持法違反で投獄。元学習院
  大講師。現在、『週刊金曜日』編集委員。左翼ジャーナリズムの
  “奥の院”。

  久野収にも何冊かの著作はありますが、これこそ主要な業績と見な
  しうるまとまった研究はありません。彼の精力はもっぱらふたつの
  方面に注がれました。第一には左翼系出版社の編集者に影響を及ぼ
  しながら進歩的文化人の奥の院に君臨することです。第二にはせっ
  せと座談会に出席して、同座する誰もがまだ読んでいないはずの新
  着の原書を誇示(ひけらか)しながら、仲間である進歩的文化人の連
  中を煽動して、反日的言論の模範例を示して尻を叩くことでした。

7-4 久野収流、北方領土問題解決法とは

戦争をしないはずの社会主義・共産主義の国が戦争をしかけてきた場合の方策を伝授してくれた久野収は、さらに進んで共産主義国家に侵略された場合、どういうふうに防衛したらよいか、その手段について教えてくれるのですから、至れり尽くせりのご親切に恐縮の極みです。

  平和を貫徹するさまざまな組織、あるいは学校のさまざまな学問の
  自由、研究の自由を守るいろいろな組織運動、労働組合運動の統一
  的確立、つまり抵抗とかいうような言葉でなくて、上から、下から
  の動きとして樹立される民主主義を守る組織のためにあらゆる派の
  人々が心を合わせて働けば、それ自身が侵略者が万一あった場合に
  最大の防衛の組織になるんじゃないか。
                     (『対話史』1巻126頁)

こういう夢物語の阿保陀羅経(あほだらきょう)を唱えるだけで、国民を瞞(だま)しつづけることができると高(たか)を括(くく)るのには、よほど国民の知力を見くびった軽蔑感が先行しているのでしょうね。しかし、そうとばかりも言っておれないんですよ。この阿保陀羅経には、ちゃんと考えた裏があります。

よく読むと、こうすれば侵略に対して防衛できるとは必ずしも保証していないのです。侵略は遂行されるかもしれない。防衛に失敗するかもしれない。しかし、その場合における敗北の原因は、「人々が心を合わせて働」く、その働きが乏しすぎて功を奏さなかった至らなさにこそ見出されるのです。侵略者が悪いのではない。十分に「心を合わせて働」くことに努めなかった国民が悪いのです。だから、「防衛の組織」をつくらなかった日本国民のほうに落度があるのですから、共産主義の侵略を甘んじて受け入れなければならないのだよ、と近い将来にそなえて久野収はあらかじめ教え訓(さと)しているんですよ。

これからの侵略に対してすら屈服しなければならないのですから、ましてや、すでに占領されている厳然たる事実に、不平を鳴らすなど以ての外です。

  例えば火事泥式に領土まで返してもらおうという浅ましい根性など
  は、自分で自分の問題を解決しようとしない根性の現(あらわ)れで
  すからね。やはり領土の問題とか人口の問題とか生産資源の問題と
  か、その組織、機構といった問題を真に突き詰めてゆけば、解決策
  ははっきり出てくるんじゃないか。そして、その解決策は、やはり
  社会主義だと思うのですが……。
                     (『対話史』1巻106頁)

火事場泥棒、略して火事泥とは、火事場のような混乱につけこんで利益を占める人を意味します。普通の常識からすれば、共産主義ソ連が北方四島を奪った手口こそ、文字どおりの火事泥なんですが、久野収の眼光に照らすとき、ソ連の遣(や)り口はけっして火事泥ではないのです。むしろ正々堂々と占拠したなあと、その人目をはばからぬ強奪ぶりに、心中では感嘆しているのかもしれません。よく遣った、と言わんばかりの気配ですものね。

その逆に、北方領土を返してもらおうなんていう要求こそ、それこそ火事泥式だと久野収は罵ります。つまり、この時点における共産主義ソ連は、共産主義体制をより徹底すべく、より強国に確立すべく、北方領土をも十分に共産主義化すべく、しなければならぬことが一杯あって、今や「てんてこまいのいそがしさ」(村雨まさを作詞「買物ブギ」)なんですね。そんなお忙しいときに北方四島を返せと言いだすなど、その精神が火事泥式だというわけなのでしょうか。このあたりの解釈は古代文字の解読よりむつかしいですね。

そして神聖な世界史の基本法則にのっとって、全世界を共産主義化すべく、そのためにできるだけ領土を拡張しようと努めているソ連に、せっかく手に入れた領土を返せなどというのは、それは「浅ましい根性」だと久野収は一喝します。そもそも北方領土をソ連の領有にまかそうというのは、進歩的文化人に共通の一貫した願い事でした。自分が生まれ育って恵みを受けている祖国のその固有の領土を、外国に熨斗(のし)をつけて差しあげたいという奇妙な屈服意識は、戦後の進歩的文化人が初めて表明した倒錯の思考様式の特産物でありましょう。久野収によって唱えられている論理はこうです。

「定理 自由主義国が共産主義国によって本来の固有の領土を占領された場合、それを返して欲しいと念ずる態度は火事場泥棒的な姿勢であり、その念慮は浅ましい根性である」

共産主義国を美化する言い立てはありふれていますが、ここまで徹底的に屈服した遜(へりくだ)りの論理は珍しいでしょう。この一条は久野収の発明による独創的な定理として、世界政治思想上に特筆大書すべきであると思われます。

では、一体どう対処したらよいのか、それはいたって簡単な方策です。つまり、日本が進んで自分から社会主義になったらよいのです。すなわちソ連の属国となれば、領土問題なんか吹っ飛んでしまうではありませんか。久野収の提唱は簡単明瞭、日本が共産主義ソ連の属領となることだったんです。実に簡明な快刀乱麻を断つ解決の方法ですね。

「戦争中の日本だけが共産党を疎外(そがい)した」という大ウソ へつづく
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