電脳筆写『 心超臨界 』

偉大さは偉大であろうと試みることにある
それ以外の道はない
( アルベール・カミュー )

人生を創る言葉 《 たとえどんな失敗をしても――スチュアート 》

2024-06-30 | 03-自己・信念・努力
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20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆たとえどんな失敗をしても、それを隠してごまかしてはいけない


『人生を創る言葉』
( 渡部昇一、致知出版社 (2005/2/3)、p266 )
第8章 正直であれ、親切であれ――人生の心得

[ スチュアート ]
19世紀のアメリカを代表する資本家の一人、洋装品などを扱うス
チュアート商会の創業者。

スチュアートは店員の厳守すべき掟として、どんなつまらないことでも、ありのままを帳簿に記入するように命じた。そのため店員は、たとえどんな失敗をしても、それを隠してごまかすことは許されなかった。

ある日スチュアートは、季節向きの新柄を大量に仕入れて、店員たちの意見を聞いた。するといろいろな意見がでたが、中でも一人の番頭は見本を手に取りながら、スチュアートの前に立って、欠点を一つひとつ滔々(とうとう)と述べていった。

そこにひょっこり、スチュアート商会の大の得意である地方の商人がやってきた。その人は、番頭の傍にやってきて、こう聞いた。

「何か新しい柄のもので、一流品の見本はありませんか」

すると、さっきまで柄の批判ばかりしていた番頭が、目を輝かせていった。

「ええ、ございますとも。ただ今ちょうど、素晴らしい品物が入ってきたところです」

番頭がそういってお客の前に差し出したのは、スチュアートの前で散々けなしていた品物だった。

「さあ、いかがです。色合いといい、生地といい、全く素晴らしいじゃありませんか」

と誇らしげに勧めると、その言葉に釣り込まれた田舎の商人は、

「フムフム、なるほど」

といいながら、多額の取引を済ませた。

その様子を黙って見ていたスチュアートは、がらりと変わった番頭の態度にあっけにとられていたが、初めて口を開いていった。

「ちょっと待ってくれ」

そしてそのお客に丁寧に頭を下げながら、

「いや、これはどうも失礼いたしました。今、店の者がお勧めした品物は、決して、上等品ではございませんので、どうか他の品物をよくご覧くださいませ」

と注意した。そして客が帰ったあとで、例の番頭に向かって、次のように宣告を下した。

「君がこの店の店員として受け取る最後の給料を、ただ今即刻支払ってやるから、会計係に行きなさい」

すでに何度か同様の話が出てきたが、アメリカが資本主義を興した当時に大成功した人は誰もみな正直である。商売というものは一回限りでは終わらないから、ごまかしをやると結局ダメになってしまう。

最近はどうも、この商売の原則が忘れられているような気がするのは私だけではないだろう。三菱自動車の問題でも明らかなように、欠点を隠して通るような社風ができると、どこかで大きな傷になるものである。
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