電脳筆写『 心超臨界 』

明日死ぬものとして生きろ
永遠に生きるものとして学べ
( マハトマ・ガンジー )

◆自民党凋落の発端

2024-08-19 | 05-真相・背景・経緯
§6-2 真正保守が追放され反日左翼と似非(えせ)保守だらけになった日本
◆東京裁判史観に縛られた日本 《 自民党凋落の発端 》


今、日本にとって致命的ともいえるのは、今や「東京裁判史観を受諾して国際社会に復帰した」と多くの人が思い込んでいることです。麻生さんですら、福田内閣の外務大臣としてそう言っている。私はテレビで国会中継を見ていて、本当に飛び上がるくらいがっくりしました。この「根」はどこにあるのだろうと考え続けてきたのですが、それはやはり小和田恆氏の発言なのです。これが中曽根内閣以来の「公式見解」になってしまったことが、国家にとって大変に不幸なことでした。


◆自民党凋落(ちょうらく)の発端

[昇一先生の美女対談]今こそ「吉田茂」待望論
工藤美代子・ノンフィクション作家 & 渡部昇一・上智大学名誉教授
『WiLL』2010年6月号、ワック出版、p64 )

〈 中曽根さんは大勲位返上を 〉

【渡部】 僕は毎年、桜の季節に千鳥ヶ淵で夜桜を見て、靖国神社に参拝して帰るんです。今年も靖国神社に行きました。前庭はご存知の通り花見客相手の店もたくさん出て、ドンチャン騒ぎの客もいて賑やかです。けれど本殿のほうはいつも静かです。

ところが今年は、なんと本殿の前へ行ったら、長い行列ができている。賽銭箱がひとつしかないのですが、そこにお賽銭を入れようとする人が並んでいるんですね。私の娘と孫と長い行列の後ろに並びましたよ。

【工藤】 やはりそれは、日本人が今もっている危機感の表れのひとつじゃないでしょうか。

【渡部】 自民党凋落(ちょうらく)の発端は中曽根内閣にさかのぼるんです。1985(昭和60)年11月8日、土井たか子議員が、衆議院外務委員会で「侵略戦争をどう思うか」と質問した。講和条約が終わってからそんな質問をするのもおかしいんですが、小和田恆条約局長(当時)はこう答えている。

「日本国政府としては極東軍事裁判を受諾している」

「『平和に対する罪』ということが起訴理由で、その訴因の第27で、被告が中華民国に対し侵略戦争並びに国際法に違反する戦争を行ったことが挙げられ、判決が出ている」

これがいつのまにか政府見解になった。その後、中曽根さんは胡耀邦総書記に書簡を送っています。

「靖国神社に公式参拝することにより、貴国をはじめとするアジア近隣諸国の国民感情を結果的に傷つけることは、避けなければならないと考え、今年は靖国神社の公式参拝を行わないという高度の政治決断を致しました」

こうして、靖国公式参拝をとりやめることになったんです。振り返ってみると、転換点はそこからです。

【工藤】 おっしゃるとおりですね。私は、今後中曽根さんという人が、歴史的に将来どう評価されるのかは微妙だと思っています。現在91歳。まだご存命の方ですし、「立派」とみなさんおっしゃいますが、50年後になればまた違う評価も出てくるのではないでしょうか。

【渡部】いろいろな評価があるでしょうが、今、日本にとって致命的ともいえるのは、今や「東京裁判史観を受諾して国際社会に復帰した」と多くの人が思い込んでいることです。麻生さんですら、福田内閣の外務大臣としてそう言っている。私はテレビで国会中継を見ていて、本当に飛び上がるくらいがっくりしました。

この「根」はどこにあるのだろうと考え続けてきたのですが、それはやはり小和田恆氏の発言なのです。これが中曽根内閣以来の「公式見解」になってしまったことが、国家にとって大変に不幸なことでした。

私はこれまでも再三に渡って、これが間違いであることを指摘し続けています。日本は「東京裁判」を受け入れて復帰したのではなく、サンフランシスコ講和条約を締結し、国際社会に復帰したのです。まさに、吉田茂首相のときに達成した「国際社会への復帰」です。

私は個人的には中曽根さんになんの恨みもありませんし、国鉄民営化のときは喝采(かっさい)しました。しかし、東京裁判史観を政府自ら抱え込んでいることは、非常に大きな問題です。中曽根さんには「あのときの件は間違っていた」といって大勲位菊花大綬章を返上してもらいたい。それで日本の雰囲気はがらりと変わると思う。それをやってくれるのならば、私は中曽根さんを真の愛国者として称えます。

【工藤】 おしゃるとおりですね。今や中曽根さんは唯一の「元老」のようになっていますが……。

【渡部】 実際は「元凶」(笑)。
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