電脳筆写『 心超臨界 』

人生最大の目的は人の役に立つこと
それがだめでも少なくとも人を傷つけてはならない
( ダライ・ラマ )

こころのチキンスープ 《 ある母の日――ナンシー・ノエル・マーラ 》

2024-10-11 | 06-愛・家族・幸福
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  親切な行いは、たとえどんなにささやかでも、
  無駄になることはない
  イソップ


◆ある母の日

『こころのチキンスープ 7』
( ジャック・キャンフィールド他、ダイヤモンド社、p30 )

教師として15年間働いてきた私には、素晴らしい思い出がたくさんある。10年まえ、小学2年生を教えていたとき、こんなことがあった。

私は子どもたちと話し合って、母の日を祝うために茶話会を開くことにした。お母さんにどんなことをしてあげられるか、みんなで知恵を出し合い、歌を練習し、詩を暗記した。キャンドルを作って白い紙袋に入れ、きれいなリボンを結び、母の日のカードを書いた。

こうして準備も整い、子どもたちの母親は全員出席してくれることになった。私も、自分の母親を招待した。

さて、いよいよ当日。子どもたちはそれぞれ、自分の母親が来るのを心待ちにして教室のドアのところに並んだ。そろそろ会が始まるという頃、ふと見るとジミーの母親が来ていない。ジミーは、しょんぼりと立ったままだ。

私は、母の手を引いてジミーのそばまで行った。

「ジミー、お願いがあるんだけど。先生はみんなの歌や詩を紹介したり、飲み物を配ったり、とっても忙しいの。だから、その間、先生のお母さんの相手をしてもらえると助かるんだけどな。先生の代わりに、飲み物やクッキーを出してあげてね。プレゼントのときになったら、先生が作ったキャンドルをあげて」

母とジミーは、別のふた組の母子といっしょにテーブルについた。ジミーは母にお菓子をすすめ、私が作っておいたプレゼントを渡し、前日に練習したとおり、母に椅子を引いてやっていた。目をやるといつでも、二人は夢中になって話しこんでいた。

あれから10年経った。いま私は、小学生から高校生までを対象に環境問題について教えている。去年、高校3年生を野外実習に連れていったとき、その中にジミーがいた。

一行はモンタナ州バドランドで一日を過ごした。帰りのバスの中で、生徒たちに感想文を書かせた。ジミーの感想文には、こう書かれていた。

「マーラ先生、小学2年のときの“母の日茶話会”を憶えていますか? ぼくは憶えていますよ! あのとき、先生には本当にお世話になりました。先生のお母さんにも、ありがとうございます」

学校に着くと、ジミーは友だちに先をゆずり、最後にバスを降りた。「感想文、とてもうれしかったわ」と言うと、ジミーははにかんだようにボソッと礼を言って、歩きだした。

だが、バスが動き出すと、ジミーは駆け戻ってきてバスのドアを叩いた。てっきり忘れ物をしたのだろうと思った。が、ステップに飛び乗ったジミーは私を思い切り強く抱きしめると、「もういちど、ありがとう、マーラ先生。うちのおふくろが来られなかったの、誰も気がつかなかったんだぜ!」

私の職場の一日は、ティーンエイジャーの少年に抱きしめられて幕をおろした。先生を抱きしめるなんて、もうとうの昔にやめてしまっている少年に。

     ナンシー・ノエル・マーラ
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