電脳筆写『 心超臨界 』

もっとも残酷な嘘の多くは沈黙の中で語られる
( ロバート・ルイス・スティーブンソン )

生きるための杖ことば 《 吾心似秋月 碧潭清皎潔——松原泰道 》

2024-09-14 | 03-自己・信念・努力
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寒山は「わが心は、秋月が澄んだ淵(ふち)に冴(さ)えている」のに譬(たと)える。が、この心は起伏の多い感性的な心を言っているのではない。人間は誰しも感性的な、流動しつづける心と、この心の揺れを揺れと凝視するもう一つのこころが、私たちの中に埋みこめられている。


◆吾心似秋月 (吾(わ)が心(こころ)は秋月(しゅうげつ)に似たり)
 碧潭清皎潔  (碧潭清(へきたんきよ)くして皎潔(こうけつ)たり)
                    ――寒山(かんざん)詩

『生きるための杖ことば』
( 松原泰道、全国青少年教化協議会 (2001/04)、p144 )

寒山詩の中でも、とくに多くの人に親しまれているのが「吾が心は秋月に似たり」にはじまる五言絶句であろう。

寒山は七世紀のころの中国唐代の詩僧といわれるが、生没年齢すべて不明で、奇行だけが明らかである。彼の作といわれる多くの詩篇は、竹べらで柔かい岩肌などに彫り散らしてあるのを、これはまた伝記不明の役人閭丘胤(りょきゅういん)が編集したという。上掲の詩もまた、そんなふうにして伝えられたのであろう。

寒山は「わが心は、秋月が澄んだ淵(ふち)に冴(さ)えている」のに譬(たと)える。が、この心は起伏の多い感性的な心を言っているのではない。人間は誰しも感性的な、流動しつづける心と、この心の揺れを揺れと凝視するもう一つのこころが、私たちの中に埋みこめられている。

心の動きを認めるのも、またこころである。後者のこころを本質(本来)的の自己という。寒山の詩(うた)うのは、本質的こころである。このこころを寒山は「物の比倫(ひりん)するに堪うるなし、我をして如何(いかん)が説かしめん」と詩う。「このこころを比べる何物もない。私はそれをどう説いたらいいのか――」と。

中川宗淵(そうえん)老師に「たらちねの生まれぬさきの月あかり」の絶唱がある。叙景をふまえて、父母も生まれる前の無限の昔から、永遠の未来に照る月光に、本質的自己のすがたを示しておられる。

また、宗淵老師の恩師で、アメリカで五十年間にわたり禅を説いた千崎如幻(せんざきにょげん)師に、「かくまでに こころ照らす月ぞとも 知らですごせし いくばくの秋」の一首のあることを老師から教えられた。

月見る月は多く、月見る人はさらに多い。しかし、父母未生以前(ふぼみしょういぜん)のわが本心を秋月に見る人こそ、まことの風流というものであろう。
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