主な誤りの箇所は、グリーンランドを覆う氷が解けて「近い将来に」水面が6メートル上昇するかもしれないというところですが、IPCCはグリーンランドの氷が解けるのに「数千年」かかると報告しています。数千年後には、確かに6メートルになるでしょう。けれど映画を見ている小学生は、すぐ6メートル上がるように思うかもしれないので、そこを注意することです。 . . . 本文を読む
アメリカのトウモロコシの場合はいろいろな計算がありますが、平均すると1キロカロリーの石油を使って、1キロカロリーのトウモロコシがとれると考えてよいでしょう。ですから、苦労してトウモロコシをエタノールにして、それを自動車にくべるくらいなら、最初から石油を直接ガソリンにまわすのと同じですから、何をやっているのかわからないといえます。 . . . 本文を読む
もともと日本が環境や動植物の保護を無視するような国なら、全体としての辻褄(つじつま)は合っていますから理解できるのですが、あるときには自然が大切とか、動物を大切にするのに、あるときには正反対の行動を平気でとるのが理解不能なのです。 . . . 本文を読む
業者が廃家電を引き取るときに、「法律で定められたリサイクル料金です」というものですから、消費者は仕方なくリサイクル料金を支払います。ですが本当のことを公にするなら、「法律でリサイクル料金をとってよいことになっていますが、それをリサイクルに使っても、そのままポケットに入れてもよいようになっています」と言わなければなりません。 . . . 本文を読む
なぜ、一括して出したほうがいいかというと、分別して出すと、分別して運ばなければいけないからです。3つの金属の種類に分ければ3台のトラックがいりますが、まとめて選べば1台ですみます。まとめて運んで工場で分けるというほうが社会的にも効率的です。 . . . 本文を読む
リサイクルのための税金は、国民は一人当たり一年に5000円程度になりますから、「環境を守ることができるならこの程度はいいや」と納得してしまうのですが、だいたい、この税金をもらう人は1万人ぐらいですから、税金を出す方は一人5000円でも、もらう方は一人当たり5000万円になります。その利権はすごいので、私への攻撃もかなり厳しいものとなるのです。 . . . 本文を読む
郷中教育がいちばん大切にしたのは、知識でも武道の技でもありません。それは潔く勇敢で、弱い者へのいたわりをもった「爽(さわ)やかな心」でした。逆に最も卑しまれたのは「臆病(おくびょう)」でした。弱者や年少者にいたわりのない者は手厳しく軽蔑されていたのです。 . . . 本文を読む
教科書は「往来(おうらい)物」と呼ばれました。最も広く使用された『庭訓(ていきん)往来』の名に由来します。商家の子には『商売往来』が、職人の子には『番匠往来』などが使われました。往来物は幕末までに数千種が編まれたといいます。このような図書の出版・普及は世界的にかなり早いものでした。
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いろいろな事柄の中で外国人の筆者たちが一人残らず一致することがある。それは日本が子供たちの天国だということである。この国の子供たちは親切に扱われるばかりでなく、他のいずれの国の子供たちよりも多くの自由をもち、その自由を濫用(らんよう)することは少ない。赤ん坊時代にはしょっちゅう、お母さんになり、他の人なりの背に乗っている。刑罰もなく、咎(とが)められることも叱られることもなく、うるさく愚図愚図(ぐずぐず)いわれることもない。 . . . 本文を読む
金子は日本の重工業の恩人でありました。当時、世界的な鉄不足のため、アメリカやイギリスが鉄の輸出を禁止したため、日本の重工業は大ピンチに直面していました。政府レベルの交渉もうまくいきません。金子は解禁同盟会を結成し、その会長としてアメリカ大使と交渉し、輸入鉄材の3分の2にあたるトン数の船を提供する契約を成立させました。金子が「イマホンテンヤキウチサル」の電文を受け取ったのはこの交渉のため東京へ行く途中でした。 . . . 本文を読む
このように、戦前の政党政治は、政策で反対党と戦い、総選挙で国民の審判を仰ぐという本来の姿でなく、敵の失敗や弱みに付け込んだりすることを常とする、未熟なものだったことがわかります。この事件のあとまもなく大正デモクラシーが大きく開花します。その後の政党政治も、本来の姿からはかけ離れたものとなってしまい、軍部の政治介入を許す結果となるのです。 . . . 本文を読む
その他の18人についても罪状は軽微なもので、そのうち3人は無罪と思われます。また、裁判は非公開で進められ、一審だけで処刑されています。また、その内容は国民にはほとんど知らされませんでした。したがって「疑わしきは罰せず」という近代刑法の常識からみれば、大逆罪の範囲を不当に拡大した判決だったといえるでしょう。 . . . 本文を読む
1877年、古河市兵衛によって創設された足尾銅山は、精巧な設備をもうけて、国内総産出量の30-40%もの銅を採掘し、明治日本の経済成長に大きく貢献していました。しかし、採掘量が多くなれば、そこから生じる鉱毒の害も大きくなります。また現代と違って当時は公害対策の技術も十分ではありませんでした。渡良瀬川は水質良好で魚類が多く、3千の住民がこれによって生計をたてていました。それが1880年代に入ると魚が減少し、漁業が成り立たなくなります。 . . . 本文を読む
万一、メモを忘れても困らないよう、何らかの策を講じなければ、と私はその時思った。次の夜は、1行ごとの最初のアルファベット10個を正しい順序で暗記し――I、A、B、などと――それを手の爪にインクで書いて登場したのである。 . . . 本文を読む
実際に記事として読者に紹介できる知識はわずかでも、自分が知っていて表に出さないいろいろな情報は、実際に表に出たわずかなものに迫力を与え、色彩を添える、ということに彼女は気づいていたからです。 . . . 本文を読む